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クワガタ

グランディスオオクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『グランディスオオクワガタとは』

日本国内で、変わらず人気N0.1を誇っているのが日本のオオクワガタ。

日本で一番大きなクワガタであるところも魅力の一つでしょう。

それを更に上回る大きさを持つのが、グランディスオオクワガタです。

顎が短い分、世界最長の座はギラファノコギリクワガタにはおよばないものの、大顎の湾曲、カラダの太さなどからせまる迫力は見る人を魅了します。

世界最大のオオクワガタ種です。野外レコードは92mm、飼育レコードは95mmです。

(BE−KUWA 2015年)

日本のオオクワガタなどの大アゴの内歯(内側の突起)は 大型個体になるほど前方に位置するのですが、グランディスの内歯はどの個体でも真ん中の付近に位置しています。

また、原名亜種(moriyai)では前胸背板(背中)の前縁(かど)が斜めに切れているという特徴があります。

野外レコードを超える個体を作るには飼育難易度が高く、国産オオクワガタとほとんど同じ方法で産卵、幼虫の飼育が可能ですが♀がなかなか卵を産まないこともあり、非常に癖が強いと言われています。

また、国産オオクワガタは同居させても♂が♀を攻撃することもほぼありませんが、グランディスは♂の気性が荒いため同居は避けたほうが良いでしょう。

主な産地はインド、ラオス、ミャンマーです。

ミャンマー、インドに生息するのは亜種で moriyaiと呼ばれます。

こちらはインド産です。ラオス産との違いは前胸背板が膨らんでいるところで、ラオス産は窪む(凹み)傾向があるようです。

他にオオクワガタの仲間は世界にもたくさんいます。

日本のオオクワガタは、ホペイの亜種になります。

1)ホペイオオクワガタ(中国)

2)クルビデンスオオクワガタ

  インド、ネパール、ブータン、ミャンマーなどの「ヒマラヤ系」と、

  タイ、ラオス、ベトナムなどの「インドシナ系」がいます。

3)パリーオオクワガタ

  フィリピン パラワン島

などがいます。

和名:グランディスオオクワガタ

学名:Dorcus grandis grandis

♂82mm (90mmオーバーを狙うなら菌糸ビンは1400以上を使いたいところ。)

内歯の切れ込みが大きいのが特徴。

こちらは六脚堂のミャンマーグランディスの♂。

インドグランディスの♀

ミャンマーグランディスの♀

このページではグランディスオオクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育の仕方 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は、1年~2年半ほど。

飼育の適温:

15℃から30℃まで範囲は広いが、理想は20~24℃

成虫育成メモ:

♀の産卵を促すスイッチを作るのが大変かも知れませんがチャレンジしてみましょう!

成熟期間:

5〜9ヶ月(サイズによる違いが有ります)

ペアリングをなかなかしないということと、♀のポテンシャルや、季節感で産むときと

産まないときがあるという、ちょっと癖の強いグランディス。卵を産ませるにはやや飼育難度

は高いと思われます。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

【ペアリング】

 2〜3ヶ月で後食し、その後3〜6ヶ月で成熟と言われています。

(大きさにより個体差が大きいです。しっかりと様子を見てあげて判断してください。)

ペアリングするのは6〜8ヶ月程度待つ必要があります。

また、常温管理の場合ペアリングのタイミングは気をつけましょう。

ペアリング、並びに産卵には23〜25℃程度あるのが理想です。これから寒くなる秋口にペアリングしても、冬季間に産卵するには温度が低い状態になってしまいます。

常温飼育の場合は、春以降にペアリングを行うのが理想です。季節を感じ取っているようなので、春にペアリングを始めるのが良いと思います。温度管理をしていても、10月頃から4月までは産卵をしない場合が多くあります。

グランディスオオクワガタのペアリング風景

是非参考にしてください。

【産卵セット】

マット+産卵材。

材はクヌギ、コナラ。人工カワラ材が良い結果を出しているようです。また、材は埋め込まずに、2/3が出ている状態で組みましょう。

セット後は暗所にて保管し、ゼリー交換(週に一度位)のときのみ観察しましょう。材の樹皮は捨てずに転倒防止などに利用しましょう。

【ケース】

材の大きさに合わせて選びましょう。

中サイズの材を2本の場合は、クリアスライダー(大)コバエシャッター(中)などを使用します。

産卵管理適温:

24~26℃が理想です

ペアリング方法:

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

2)転倒防止用に、樹皮や足場、ゼリー皿、をセット。

3)♂、♀を投入し7日間ほど一緒にしておきます。

  ※ほぼ交尾が済んでいると思われるので♀を取り出し産卵セットに投入します。

※ 温厚なグランディスであっても興奮して♀を攻撃することもあるので、ハンドペアリングのほうが安全ではありますが、こちらの根気も必要。

♂のアゴを縛って同居させることをおすすめします!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

【産卵SET方法】

水分量は材の加水時間、使用するケースにもよりますが少なめで良いです。

底面のマットは固く詰め、材が半分以上露出するように埋めてください。材の周りを

掘り進むので、時間が経つと材は動くようになります。

《産卵材セットのリンク》

□□□ 幼虫の育て方 □□□

【お勧めのエサ】

オオヒラタケの菌糸ビンがよく使われています。

マットでも飼育は可能ですが、菌糸ビン飼育のほうが大型が期待できます。

【えさ交換回数】

♂は1100〜1400CCのボトル交換で途中2〜3回。

♀は800CCで2回程度。

※温度や菌糸の劣化具合、食い進みにより変化はあります。

大型を狙っていく場合、メスは800CCボトルで問題ありませんが、♂のボトルサイズを800CC→1400CC→2300CCと大きくしていくことがベターです。

1400CCでも80mmオーバーは出てきますが、90mm以上を狙うなら2300CCは必須のような気がします。

【設定温度】

20~25℃前後で

【孵化から羽化までにかかる時間】

♂:10~12ヶ月程度

♀:8~10ヶ月程度

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

大型を狙うために低温飼育した場合は羽化まで1年以上かかり、♀との羽化時期のズレが起きやすくなります。

その時は幼虫時に♂と♀の温度差をつけてタイミングを計るか、もしくは交尾時期が合わない場合には別血統の♀を用意することが必要になる場合もあります。

《羽化ズレ対策》

この記事は2023年5月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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2024-02-01

羽化後の管理方法(グランディスオオクワガタ

ーーーー六脚堂 飼育ブログーーー

今回は24年2月2日に我が六脚堂の子。期待の大型が羽化していましたのでご紹介します。

・22年11月18日に割り出し

・23年2月12日に2令 7g

・23年4月21日に33g

・23年6月11日に49g ここから18℃管理

ここから間が空いてしまい。

・24年1月初旬に蛹化確認、2月2日に羽化。

期待と言いつつ、6月から交換をせずに来ました。ノギスには写っていませんが88mm。

もしか10月くらいに交換をしていればもうひと伸びあったのかも。。。

とは言いつつ、この子は若干の翅パカで完品羽化ではなかったのですが。

それよりも、今回の記事では羽化後の管理として六脚堂のやり方を説明しようと思いまして。

羽化後、落ちてしまったり(死んでしまったり)しないように、どのように管理するか。

当然、加水の状況や湿度などが関係すると思いますが、こいつは大事に次につなげたい!という

場合は、掘り出しのタイミングや、ケースへの移動のタイミングを気にしています。ここを気遣うだけで、ペアリング時に無精卵だったり、ペアリング後に☆になったりということを避けたいという思いです。

まず掘り出しは、ケースの端から羽化が確認できても最低1ヶ月は出さないようにします。

※コバエや線虫の数にもよりますが。

赤みが完全に取れただろうな、という段階で掘り出して様子を確認します。そして後食が始まるまで、加水したティッシュをいれて休眠が開けるまで待ちます。

これはトップブリーダーさんの受け売りですが、マットに住んでいる共生菌が羽化した子を守ってくれると考えています。なので、人工蛹室にもできるだけ入れずに自然蛹室での羽化を目指しています。

ただ、全く菌糸に窓がなく、怖くなってそろそろかな?と開けたときに前蛹。。。でも蛹室が崩れていない場合は、そのまま利用します。

同腹の兄弟がたくさん羽化してますので、春になったらペアリングからの記事を追加していこうと思います。

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2024-05-27

グランディスオオクワガタの羽化とかペアリングの記事です。

ーーーー六脚堂 飼育ブログーーー

昨年末から、北海道は函館にあります「オオクワガタのGrand-G」さんのギネス血統が、羽化をし始めていたのですが、軽く85mmオーバーの個体が出てきます。年明けからの新成虫は1年くらい温めるとして、今回は昨年羽化した子たちを掛けていきます。

garda(ガルダ)血統の88mm(昨年の最大)

※ガルダはインドグランディス モリヤイ

割と逆三角形タイプ。

いかつくて良いです。

yaek(ヤッカ)血統の91mm(昨年の最大個体)

※ヤッカはミャンマーグランディス

太めのレスラー体系。

今季はこの2系統で行きたいと思います。今はきっちりと管理できる状態では無いので、ギネスを狙うよりも大きめの個体を完品で出す!といったテンションなのでそれぞれの血統を1ラインずつ、20〜30頭くらいづつ抱えようかな?と思案しています。

【24年5月26日】

1週間前に一度ペアリングが完了していましたが、念には念をということで、gardaの2回目のペアリングがが完了したのでセットインします。

材はコナラです。

【24年5月27〜28日】

次の日、yaek血統のペアリングを2日連続で行ないました。2日とも1〜2分を2回。かかっているか不安なので1週間後再度行ってみる予定です。

【24年6月4日】

♀は55mm。この子を産卵セットへ。

ペアリングは2日に分けて2回。その後同居、同居後にゼリーを食べさせる期間をつくり完璧な体制を作りました。

あとは産卵材の硬さを♀ちゃんが喜んでくれるかどうか。

ブリードルームの引っ越しもあるので、2回目のinはニューブリードルームでしょうかねー。

産卵セットを組みつつ、グランディスの羽化ラッシュが始まりました。

基本的に後食するまではそのままボトルの中で管理しています。共生菌うんちゃらで。

タランドゥスもそうですが、グランディスの♀もまるっとしていて可愛いですよね。

♀は他6頭出てきていました。今季はこれでフィニッシュですね。

一番小さかった68mmと86mmの比較画像。やはり迫力が違います。

この子は85mm。80を超えてくるとなかなか見ごたえが出てきます。

81mm

この子達は選抜しつつ、来季の親としてしのぎを削るのです!!

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2024-06-10

割り出しをしますよ!

ーーーー六脚堂 飼育ブログーーー

【24年6月10日】

ふと産卵セットを除いてみると、グランディスオオクワガタのYeak血統がいい感じで材を齧っていたので、そのまま2本目に引っ越ししました。

ガルダは齧りが甘いので居残りです。

では、1回目のセットを割ってみましょう。こんな雰囲気の時は絶対採れます。

真っ白で綺麗!

幼虫2頭目!!

卵発見!

1回目のセットからは、初令幼虫2頭と卵が1でした。

【24年6月22日】

2回目のセットを開けてみたところ、ちょっと早かったかな〜。卵が4個です。

これでヤッカの方は7個。どこまで伸ばせるでしょうか。

【24年7月22日】

カップが乾いてきたので、ちょっと様子をのぞきます。ここで乾いてしまったまま放置すると、気がついたときには跡形もなくなるので注意です!

あ、よかった〜。

禁止に入れるのはまだ少し早そうなのでマットに入っていてもらいます。

こちらの卵1個は、、

孵化していました。

最後に、卵4個ですが・・・。

3頭出てきました。

これでヤッカは6頭ですね!あと15は行きたいところです!ガルダもたくさん採りたい!!

続報をお楽しみに!!

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2024-07-19

続:割り出しをしますよ!

【24年7月19日】

6月に確認していた6頭の幼虫(yeak血統の方)ですが、そろそろ頃合いかなと言うことで菌糸カップへ引っ越しさせていきます。

まずはこの子から。

さあ、しっかりと出てきてください!!!

良かった・・・。大丈夫。

真ん中を下までくり抜いて、底面に部屋を作ってあげましょう。

こちらは4個の卵が孵化したのは3頭でした。

げげ・・・。2頭になっている。。。なんで。

こちらは2頭。ちゃんといますように。

いました。

マットは川口商会の特別なやつです。微粒子で深い発酵具合。手作業で製作されているそうですよ。

5頭に減ってしまったので、あと10頭ですね。カワラ材購入しましょうか。

カワラ材といえば、今月からババ・タラ・レギ(赤)と少し精力的にやっていこうと思っています。ただ、第一ブリードルームの温度が札幌なのにバク上りしています・・・。(今は24年7月後半。外は33℃!!!)ちょっと時期を見てやっていかないと危ないですね。

緊急で幼虫を移動したりしていますが、この1ヶ月が札幌の鬼門ですね。

続報をお楽しみに!!

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2024-08-13

Yeakは続くよどこまでも。

【24年8月13日】

5頭しか採れていないグランディスオオクワガタ(yeak血統)ですが、次のセットを割ってみましょう。

産ませ方が下手くそですね〜〜〜・・・。

どうしたら爆産してくれるものやら。

こちらはカワラ材ではなくプレスした棒状のカワラ菌糸。爆卵棒という商品です。もうぼろぼろにされてます。さて。出てくるものか。。。

なんかかじってはいる様子ですが、ぼろぼろすぎて出てくる気がしません。

全部崩し終わったところに、おや?幼虫が落ちていました笑

しかも結構大きい笑

(能勢SRのド初令ばかりを見ていたあとなのでより大きく感じる。。。)

この子はもう迷わずE-800に入れちゃいます。(なぜなら36個セットが届いたばかりだから)

Yaek血統(ミャンマーグランディス)は調子が良いですね。比べてGarda血統(インドグランディス)は採れていません。ちゃんとしなきゃな〜と思いつつ、ほかのことで手一杯なのでうまく管理できていないのです。

みんな!おらに元気をくれい!!

グランディスオオクワガタ、yeak血統の「6月4日〜6月11日」仕込み分から採れた5頭。菌糸プリンカップで管理してましたがそろそろ800へボトルを交換してみましょう。

ちなみにこの血統。ある方から引き継いだ幼虫が孵化。90mmオーバーの子です。

ポテンシャルのある子なので、続けてくださいと言われ、一生懸命なのです。たくさん抱えることもできないのですが、20〜30頭は抑えていきたいところです。

なお、yaek血統(ミャンマー)と、Garda血統(インド)の2種おりまして。並行してGardaも頑張って20〜30採りたいと思っております。

この子は4g。多分♀。

この子は多分♂。

3頭目は♂。

この子だけ6gですね。

4頭目。5g。

ラストです。5g。みんな大きな違いはありませんね。すくすく育ってほしいものです。

新しい菌糸はきれいですよね〜。美味しそう。

続報をお楽しみに!!

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

WILLPLANTのWEBはこちら コンテンツ制作:カブトコロシアム

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