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クワガタ

ケルブスミヤマ(ユーロミヤマ)の飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『ケルブスミヤマクワガタとは』

ユーロ(ヨーロッパ)ミヤマクワガタの原名亜種で、イギリス南部以南およびヨーロッパ大陸全域に生息するミヤマクワガタです。

大顎の赤みが特に濃く、上翅にも赤褐色が入ります。また、大きくしなった大アゴが最大の魅力。日本のミヤマクワガタのように体毛はなく鈍い光沢があります。

日本で多く流通しているユーロミヤマの中ではアクベシアヌスが最大種で飼育レコードは105.0mm。ケルブスは93.6mmなので10mm の差は迫力の違いも大きく出てきます。

最近は赤みの強いケルブス人気が上がってきていると感じるのは私だけでしょうか。(2025年現在)

飼育、累代に於いては3種に大きな差はなく、また国産のミヤマともほぼ変わりは無いので、ミヤマをやるなら一気にたくさんの種を、、、そんなに場所取れませんよね笑

なお、ヨーロッパミヤマには6亜種あり、

・原名亜種に、  L. c. cervus  (ケルブスミヤマ)

 イギリス南部以南およびヨーロッパ大陸全域。大顎の赤みが濃いのが特徴。原産地で保護対象である。 

L. c. akbesianus (アクベシアヌスミヤマクワガタ)

 シリアとトルコの国境付近に産する。体長が90mm以上になる大型種で、後述するL. c. judaicusと同様に頭部が肥大化するように大きい。大顎の基部の湾曲が強くなり、L字に近い形となる。大顎の先端部の開きも大きい。触角6節となり、特大個体の体長は100mmを超え、ミヤマクワガタの仲間では世界最大となる。名称由来はトルコ(旧シリア)領内のアクベシアヌス地方からで、大型個体の体色は原名亜種に比べて黒っぽくなる。

L. c. judaicus (ユダイクスミヤマクワガタ)

シリア、トルコの国境付近及びアラブ。ジュダイクスミヤマクワガタとも言う。L. c. akbesianusと並ぶ世界最大のミヤマクワガタで、同じく最大で105mm近くにも達するともいわれる。L. c. akbesianusより顎の先端はやや狭まるが、同じように体も頭部も大型化し、特に顎を含めた頭部は体長のおよそ半分を占める程巨大である。全身が白い毛で薄く覆われる。触角は原名亜種同様4節となる。L. c. akbesianusと分布が重なる場合もある。体色は原名亜種よりもややくすんだ赤茶色。

L. c. laticornis Deyrolle (ラティコルニス)

L. c. turcicus Sturm (トルキクス)

L. c. syriacus Planet

『wikipediaより』

最後のイタリア語をカタカナ化できませんすみません。。。むしろ上の3つが代表亜種と言われています。ただ色々資料を見ていると、シロカブトやゾウカブト同様に、ヨーロッパミヤマも亜種関連で何やら固まっていない部分もある様子。

むしろ細かいこと言うと、トルコ、シリアは、西アジアでは。。。なんて。

私はあまりきにせずに、かっこいいクワガタを飼育したいと思います。笑

和名:ケルブスミヤマクワガタ

学名:Lucanus cervus cervus 

この子達は南フランス産のCBF1。♂80mm、♀44mm

おフランスというだけで高級感が漂います。

おフランス出身。大きい。湾曲がスーパーカーみたい。赤い。これだけで買いですね。

イタリア産なら完全にフェラーリでしょう。

極端な低温種なので、北海道の人たちがたくさんやればいいのにと思ってしまいますが、最近hが夏が熱いので温度管理が逆に大変ですね。夏だけ温度が上がったらどうなるでしょうか。六脚堂が頑張ったほうが良いですね。

はい。頑張ります。

♀ちゃんも赤いです。

頭部と胸部の境目にある黄色の線が実は好きです。デザインとして素晴らしい。

道民よ!一緒にミヤマを飼育しようではないか!

このページではケルブスミヤマクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は活動開始から2〜3ヶ月と言われています。

飼育温度:

15〜23℃前後。

成虫育成メモ:

とにかくかっこいい。最悪羽化まで2年かかり、温度管理の環境を作るのが一手間かかりシビアなのに、羽化しても休眠期間(後食するまで)が7〜9ヶ月かかり、活動は3ヶ月くらいと、とても儚い人生を送る種なので、飼育は本当に好きじゃないときついかもです。

ある種ゾウカブト的なイメージですが、雑にマットを使ってもゾウカブトは育つ分ミヤマはやっぱりシビアかも。。

活動開始後の成虫は短命なので早めにブリードのセットに投入する必要があり。繁殖が難しいと言われるミヤマクワガタの中でも、本種はブリードが容易な方です。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが鍵になります。

【産卵セット】

黒土系のマット、カブト系の完熟マット、無添加微粒子マットを使います。特に熟度の深いマットを好みます。(茶色よりも黒に近いマット)

材には産みませんので不要です。

KBファームのフェロールマットでも好成績が出ていると聞きますね。

加水

ちょっと多め。握って滲み出てくるのは多すぎですので注意!

産卵セットの作り方はこちらから

《産卵温度》

18〜20℃程度。

状況次第ですが、15℃程度でも産卵結果は出ているようです。

【使用するケース】

コバエシャッター(中)やクリアスライダー(ラージ)など。

ケースサイズ表はこちらから

《ペアリング方法》

クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

    (隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)

2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。

  (ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)

3)♀を攻撃しがちなので、安全のために顎縛りしましょう。

4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

□□□ 幼虫の飼育方法 □□□

【お勧めのエサ】

初令・・・

黒土系の熟度の高いマット。

一番良いのは産卵時に使ったマットが無難です。

月夜野さんの黒土マットや、各ショップさんのミヤマ専用マットなど。

2〜3令時・・・

廃菌床マットや添加のあるマットを少しづつ混ぜていきます。

すべてRUSHマットなどにしてしまうと、不全になることがあります。

ちなみにレコードサイズが出たのはRTNさんのUマットらしいです。

基本的に菌糸ビンは使用しませんが、使うならカワラ菌糸でが良いそうです。しかし、大きさに

差が出ているという情報はあまり多くないため、マット飼育で良いと思われます。

MEMO

1)初令時は、産卵セットのマットを移行した方が良い

2)コバエなどが発生して産卵セットのマットをつかえない場合は、

    カブト用の完熟マットや黒土など完全発酵がおすすめです。

3)大型や大歯を狙う場合は、2〜3令時にカブト用完熟マットをベースに、

  廃菌床ベースのマットや添加マットを少しづつ増やしていく。

4)マットの全交換は避けたほうが無難です。

※なお、温度管理も重要です。

【容器】

初令時には500CCから800cc。

♂はそこそこサイズが出ますので2〜3令になったら1400以上のボトルを使用すると良いでしょう。

【えさ交換回数】

交換は途中3〜4回程度。

※環境やコバエの発生などで変化あり。

MEMO

大型を作出するブリーダーさんの中では、初令をいきなり1400ボトルに入れ1年程度放置。

2本めを♂なら2300ボトルへ。♀ならそのまま1400でまた1年以上放置。18℃で管理。

とにかく触らないのが大事。という方もいらっしゃいました。

【設定温度】

18〜20℃程度。

高くても23℃が限界値と考えてください。環境を用意できるかどうかが鍵になります。

【孵化から羽化までにかかる時間】

♂:初令投入して約14~24ヶ月

♀:初令投入して12~24ヶ月

温度管理の方法によって、2年1化になる場合もあります。

(1年で羽化する場合を1年1化。2年掛けて羽化することを2年1化と言います。

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2024年10月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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2024-11-11

羽化してきました〜

ケルブスの♀が羽化

本来ならペアリングから産卵セット、割り出しの順番で飼育レポートを書きたいところではありましたが、羽化して来てしまったので記事にします。

実はですね、このブログは

・幼虫で購入した種であっても羽化してから記事にする

・幼虫時代から写真を撮って記事を書いておく

というのをポイントにしているのですが、100種近く飼育していくると写真管理、記事管理、個体管理が煩雑で書き漏れなどが出てきちゃうのです。

なので今回は羽化レポートを。

なお、ケルブスの成虫もおりまして、今は長い休眠中。これが開けたらペアリングからのレポートもちゃんとしますので少々お待ちを。

ということで今回羽化してきましたのは、24年のお正月。札幌のショップさんの福袋を購入した際に入っていた子たちになります。

スペックは、写真の通り!

23年の8月25日に割り出された、CBF2の子たちです。およそ1年半で羽化してきました。

♂はまだ幼虫なので、この子たちをいつまで眠らせられるか。今は18℃で管理しているけどもっと冷やしたほうがいいのかもな〜。

6月にマット交換をしまして、11月にもう1回・・・と持ち上げたところ、何やらコロンコロンの触感。これはサナギだと。

そこから5ヶ月で羽化!

サナギ期間が長いんですね〜。

ミヤマは避けていた種だったので勉強不足でした。寒い北海道にはミヤマは管理しやすいのでちょっと勉強がてら着手していたのです。


で、味見してみたいと出してしまったわけです。ごめんよ。

とてもかわいらしい美人な2頭です。(どっちがどっちかはわからないけど。)

あとは♂待ちなのですが、今の感じだと2年1化での羽化ペース。

冷蔵庫で思いっきり冷やして流人もいるので、1頭だけ勉強にやってみようかな。

今眠っている成虫ともタイミングが合えば♀増強にもなるし良いかもなんて思っています。

一応、ケルブス、ユダイクス、アクベシアヌス、3種を揃えているので、勉強勉強!

ということで、管理方法等これから方針を考えますので、初心者さんに参考になればと思います!(熟練者さんはスルーしてください笑)

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2025-01-27

ケルブス♂のマット交換です

【25年1月27日】

先に羽化してきた♀を冷やしつつ、♂のマット交換です。

羽化ズレの調整は果たしてうまくいくのか!!最初はそのままワインセラーに入れていましたが、18℃では活動してしまうと聞き、もう一つ寒い部屋(ちょうど冬なので)、11〜13℃の場所で待機させています。

割り出しが23年の8月なので、羽化まであと半年くらいでしょうかね。

マットは、高添加の菌床ベースであるアルプスマットと川口紹介無添加を半分半分で。二回目の交換ではアルプスの分量を7割まであげています。

さて、この作戦はうまく行っているでのしょうか。

おや??これは蛹室??

しかも縮んでない??笑

ということで、キッチンペーパーで蓋をして、これはスルーします。

同じ時期に割り出ししているユダイクスに比べると少し成長が遅めかな。

29g。まあケルブスならこのくらいなのかも。これで75mm超えてくれれば良しとしますか。ユダイクスと比べるとちょっと迫力に欠けますが。

この子はどうでしょうか。

あら、カワラず。しかもちょっと黄色いのでこれで終わりかな。

まあ、♀が出てきているのでこの子達も早めに羽化してくれるとありがたいですね〜。

まずは一周させたいところです。

理想的には、ケルブス、ユダイクス、アクベシアヌスの成虫が揃っているところを写真にしたいところですが、アクべが追いつかないでしょうね。まだ2令だし。

虫人生でそんなタイミングが起きることに期待しています。

近況:

23年はヒナカブトの成虫が結構いたんです。

ヒナーズ勢揃いの写真を撮ろう撮ろうと思いながらできなかったのが、今は悔やまれます。

備忘録として列挙してみようかな。

・フンボルトヒナカブト

・ベルティペスビロードヒナカブト

・ヨツボシヒナカブト

・グランディスヒナカブト

・マルガリータヒナカブト

・ムニスゼッチヒナカブト

・テルシテスヒメゾウカブト

・ヨルゲンセンヒメゾウカブト

これにサイズ感でいうと、

・ゴロファクラビゲール

・ゴロファスパサ

あちゃー・・。今考えるとパラダイスかよ。

小型種の飼育、そろそろブーストかけたくなっちゃったな〜。ブリードルームの整備も完成仕掛けているのでマジやっちゃおうかな。。

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

WILLPLANTのWEBはこちら コンテンツ制作:カブトコロシアム

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