メタリフェルホソアカクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『メタリフェルホソアカクワガタとは』
メタリフェルホソアカクワガタはインドネシアのスラウェシ島などに生息する、 ボディバランスと合わない『極端に』長い顎が特徴的なクワガタ。
体長は大きいものでは90mmを超えます。大きくなればなるほど、何のための進化なのかを疑うような歩き方になります。
さらには、ゴールド、ブロンズ、ブルー、グリーン、パープルなど色味の発色が楽しめるので、是非飼育してほしい種です。
ちなみにスラウェシ島はここになります。
和名:メタリフェルホソアカクワガタ
学名:Cyclommatus metallifer
メタリフェルホソアカクワガタには亜種もたくさん存在しており、
・フィナエ(ペレン島、バンガイ島、バンクル島
メタリフェルホソアカクワガタの最大亜種。
・アエノミカンス(ハルマヘラ島、バチャン島、カシルタ島、テルナテ島、モロタイ島
WD品が定期的に入荷しておりお求めやすくなっています。
・イソガイ(スーラ諸島
国内流通量は多くありません
・サンギレンシス(サンギール諸島
などが国内ではブリードされています。
比較的飼育が簡単で、累代サイクルも早い種のため人気です。またホソアカクワガタは
温度管理(理想は22~25℃)ができれば、幼虫飼育、産卵ともに簡単なクワガタです。
(大型にするには20℃までに抑える環境が大事です)
ブリーダーさんの中では、動画やブログでたくさんのメタリフェルに関する情報を
出している、『わたくわチャンネル』さんという方がいらっしゃいますのでご参考
までに御覧ください。
https://www.youtube.com/@watakuwa
メタリフェルホソアカ以外にもキクロ系と称されるホソアカクワガタは大変人気があり、
エラフスホソアカクワガタ、アラガールホソアカクワガタ、インペラトールホソアカクワガタ、スペキオススホソアカクワガタなど、とにかく発色が豊かなところが鑑賞にもってこいの種です。
昆虫イベント、インセクトディスカバリーを主催するカラーズさんの販売ページはまるでカタログ!是非覗いてみてください。
https://e-colors.jp/pages/239
♂80mm。(ペレン島)緑系のゴールド発色が強い個体。
♂初めて見た時のインパクトは抜群でした。
生で♂♀ペアを見ると、♀の小ささが際立ちます。
♂の大顎が大きいので、ペアリング中に挟まれることは「逆に」無いだろうなと思っちゃいます。生で見ると大きさの差を感じずにはいられない。
♂のような光沢は♀にはありません。
□□□ 成虫の育て方 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は 6ヶ月〜8ヶ月程度。
ペアリングせずに単独飼育で1年以上生きたという方も。
しかし産卵、交配をすると極端に短くなるようです。
飼育の適温:
20℃から25℃。
後食まで:
およそ1ヶ月程度です。
成熟は後食したあと2〜3週間程度と言われます。
飼育ポイント
1)あまり寿命の長い種では無いので、ペアリングのタイミングは重要です!
成熟までは羽化からおよそ2ヶ月行かないくらいで、後食の早い子もいますので、ゼリーの食べる量と活発に活動しているかどうかを目安にしましょう!
2)見た目の通り、歩きがあまり上手ではありません。
なので、床材はマットだけではなく産卵材の樹皮など引いてあげると良いと思います。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態で
あることが必要になります。
羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!
産卵木にも産みますが基本的に発酵マットのみのセットでも十分産卵します。
微粒子マット、完熟系のマットを使用します。
フォーテックさんの《産卵1番》で良い結果が出ています。
(幼虫飼育をそのまま産卵一番だと、栄養が足りず大きくなりにくいですね。)
水分は多からず少なすぎず。
(強く握って水が染み出るのは多すぎです!)
底面の7割は強く固めます。残りはふんわり目でOK。
《産卵セット》
産卵管理適温:
23~25℃前後
卵は本当に小さいので、幼虫での割り出しをおすすめ致します。
また、多産な種なので環境がマッチすると20〜30頭は1回で産んでくれるようです。
ケース:
小〜中ケースで。♀が小さいのであまり大きなケースは不要です。また卵が小さいので幼虫が見えてから割り出ししたほうが見逃しがないと思います。
《ペアリング方法》
クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
(隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)
2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。
(ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)
3)攻撃力の高いヒラタ系、ノコギリ系は顎縛りしましょう
4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。
詳細はこちらから!
□□□ 幼虫の育てかた □□□
お勧めのエサ
発酵マット。菌糸。どちらでも飼育できます。
マットでも大きくできますが、菌糸ビン飼育のほうが大きさのアベレージが高くなるようです。
設定温度
20〜25℃前後と幅は広いです。
90mm以上の大型化を狙うなら、17〜19℃の低温飼育で管理し、3令からは2000ccボトルの大きなもので!
1100CCのボトルだと、六脚堂では75mmくらいの♂が出ています。
えさ交換回数
800〜1100CC程度のボトルなら交換途中1〜2回程度でしょうか。
孵化から羽化までにかかる時間
およそ 4~8ヶ月と非常にサイクルは短めです。 ※亜種によって若干の違いはあります。
大型を狙うための低温飼育で18℃程度をキープすると、マット飼育の場合10ヶ月はかかります。
そうなると、♀は早く出てきてしまうため、盛大に羽化ズレしてしまいますので、累代をしていきたい場合は温度調整をしたほうが良いでしょう。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2023年5月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)
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