スマトラオオヒラタクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『スマトラオオヒラタとは』
スマトラオオヒラタクワガタ、通称「スマトラ」はその名の通り、インドネシアのスマトラ島が生息地ですが様々なクワガタが数多く存在する中にあっても、「スマトラ」と呼ばれるくらい
人気のクワガタです。
スマトラは大きなボディでありながらその分厚いアゴを右に左に振り回し、時にはゼリー交換のときに飼い主である自分もヒヤッとする事があるくらいです。
この迫力のある「アゴ」は、同じスマトラ島の中でも場所(産地)によって形状が異なります。
よく知られる産地としては、ベンクール、パダン、リアウ、アチェなどがあり、基本的にベンクールは内歯上がり、パダンは内歯中間~内歯下がりが多いが、内歯上がりの個体も見られます。
内歯下がりのアチェ産が人気NO1です。
ボディは横幅があり、重量感もある体形で、長さではパラワンオオヒラタ、横幅のスマトラオオヒラタ、更に筋肉質を想像させるアルキデスヒラタと、クワガタ界では人気を博しています。
人気の理由は、比較的安価で大聞くなること。そして長生きすることで子供たちの間では人気となっている。
スマトラ島は赤道直下の島で世界でも有数の豊かな生物多様性を誇る地域で、気候は熱帯雨林気候です。
和名:スマトラオオヒラタクワガタ
学名:Dorcus titanus yasuokai
♂83mm アチェ産
♀も大型になると迫力が増します。
このページではスマトラオオヒラタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育の仕方 □□□
産卵:
産卵木とマット。どちらにも産みます。
寿命:
1~2年(飼育方法にもよります。)
温度:
23~25℃前後
後食まで:
サイズにもよりますが2〜3ヶ月程度でしょうか。
成熟期間:
3~5ヵ月(羽化してから交尾できるまでの時間)
価格:
1,000~20,000円(成虫ペア)
人気種なのでブリーダーさんも多く、血統種の場合は100mm以上が出ていますが
90mmでも相当な迫力が有ります。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。
羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!
とても容易な種で、さらに多産です。 卵を産ませるときには、まずはしっかり成熟するまで期間を置きます。
後食開始しておよそ4~5ヶ月。もしくは半年は待ちます。
同血統の兄弟同士で交配させようとすると♂と♀の羽化時期がかなりズレることがあります。
※クワガタ、カブトムシは羽化してすぐに卵は産みません!
ペアリング方法:
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
2)転倒防止用に、樹皮や足場、ゼリー皿、をセット。
3)♂、♀を投入し3日〜7日間ほど一緒にしておきます。
※ほぼ交尾が済んでいると思われるので♀を取り出し産卵セットに投入します。
※ ヒラタクワガタは興奮して♀を攻撃することもあるので、♂のアゴを縛って
同居させることをおすすめします!
この動画は、本土ヒラタクワガタの同居ペアリングの様子です。
100均のケースの底に、これも100均の鉢底ネットをガムテープで止めただけのものです。
♀の隠れ家として、樹皮を1枚入れています。
その時は幼虫時に♂と♀の温度差をつけてタイミングを計るか、もしくは交尾時期が合わない場合には別血統の♀を用意することが必要になる場合もあります。
【産卵セット】
マット+産卵材。材はクヌギ、コナラ。また、カワラ材やレイシ材でもOKです。
さらに最近は菌床産卵をされている方も多いです。
いわゆる菌糸ボトルを飼育ケースに入れて♀を投入する方法です。
菌床産卵のメリットは、材の割り出しよりも簡単であり、プリンカップに引っ越しさせたりという手間が省けるため楽なのです。
<マットのみで産卵を行った場合>
【お勧めのマット】
ヒラタクワガタは根食い系ですので熟度の高い、微粒子のマットがおすすめです。
【お勧めの容器】
【水分量】
手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度
【マットの詰め方】
ケース底面7割程度固く詰めて上部はフンワリと。
【設定温度】
25℃前後
<材も使用して産卵セットを組んだ場合>
【お勧めのマット】
ヒラタクワガタは根食い系ですので熟度の高い、微粒子のマットがおすすめです。
【お勧めの容器】
【水分量】
手でぎゅっと握って団子が出来て、なおかつ水が染み出ない程度
【セット方法】
ケース底面3センチ程度を固くつめ、材を入れ、その回りも固く詰めます。 上部2~3cmほどは柔らかくマットを入れる。 少し材の頭が出るようにセット!
□□□ 幼虫の育て方 □□□
【お勧めのエサ】
オオヒラタケの菌糸ビンがよく使われています。
マットでも飼育は可能ですが、菌糸ビン飼育のほうが大型が期待できます。
マットはヒラタクワガタ用のものも市販されています。
♂は1000〜1400CCのボトル交換で途中2〜3回。
♀は800〜1000CCで2回程度。
※温度や菌糸の劣化具合、食い進みにより変化はあります。
大型を狙うなら、管理温度を16〜20℃の低めに設定し、1400ボトルよりも大きな1800ccや2300ccに投入することも有効な場合が有ります。(大型を狙う要素はボトルのおおきさだけではないですが。。)
スマトラオオヒラタは、ブリーダーさんが多い分、様々なセオリーが存在しています。産卵セットからの採卵のタイミング、幼虫を菌糸に入れるタイミング、引っ越しのタイミングです。これは、マットか菌糸かでも大きく変わりますので、いろいろチャレンジしてみてください!
【設定温度】
20~25℃前後で
【孵化から羽化までにかかる時間】
♂:12ヶ月程度
♀:10ヶ月程度
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
約1ヶ月半~2ヶ月経つと、ケース底や側面に幼虫が見えて来ます。(内側にいることもありますが。)もし卵も幼虫も見えない場合、ペアリングがうまくいってないことも有ります。
そんなときは♀を一旦取り出し、♂と再度ペアリングにチャレンジしたほうが良いかもしれません。
スマトラが羽化した直後の様子です。
(蛹から撮れませんでした。。く〜。。)
この記事は2023年5月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)