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モーレンカンプオウゴンオニクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『モーレンカンプオウゴンオニクワガタとは』

オウゴンオニクワガタは、ミャンマー、マレーシア、スマトラ島やジャワ島などに生息しているクワガタの一種です。 

オウゴンオニクワガタと言ってもたくさんの種類がおり、このモーレンカンプは原名亜種になります。

飼育はやや難恣意部類です。(六脚堂でもチャレンジして♀1だけ生き残りで、累代は途切れました。。。) 

低温にて飼育が必要で、産卵木、霊芝材及びカワラ材に産卵します。

特徴としては他の種よりも艶が少なく、とても小型で顎も発達しにくい種です。

オウゴンオニの4亜種

オウゴンオニの4亜種

種類 モーレンカンプオウゴンオニ(原名亜種)
生息地 インドネシア(スマトラ)、ミヤンマーなど
特徴 比較的小型のオウゴンオニ。顎はほぼ湾曲せずニッパーのような形になることが多い。
ビークワレコード(2023)サイズ 65.3mm
種類 モセリオウゴンオニ
生息地 ミャンマー、マレーシア、インドネシア
特徴 原名亜種より体型は細く、背中の光沢が強い。上翅には全体に不規則な浅いしわがあり、前胸側縁の突起はやや弱い。
ビークワレコード(2023)サイズ 80.6mm
種類 フルストルファーオウゴンオニクワガタ
生息地 ボルネオ島(カリマンタン島)
特徴 オウゴンオニクワガタ属の中では最も小型。全体的にずんぐりむっくり。前胸背板がザラついており、体色はくすんだ色味。飼育下繁殖が難しく希少種。
ビークワレコード(2023)サイズ 55.0mm
種類 ババオウゴンオニ
生息地 ミャンマーのタニンダーリ州(旧テナセリウム)
特徴 オウゴンオニクワガタ属の中で最も美しく、人気も高い。金色に近い体色、大顎がやや外股を向き、翅に光沢がある。最も大型の亜種。
ビークワレコード(2023)サイズ 83.4mm
種類 ローゼンベルグオウゴンオニクワガタ
生息地 インドネシアのジャワ島
特徴 同属のモーレンカンプオウゴンオニは4亜種からなるが、ローゼンベルグオウゴンオニは亜種がおらず独立した位置にある。
ビークワレコード(2023)サイズ 80.3mm

近年はモセリオウゴンオニが日本に入っておらず、価格が高騰しております。(2024年現在)

和名:モーレンカンプオウゴンオニクワガタ

学名:Allotopus moellenkampi moellenkampi

ちょっと小さめのWD個体♂ スマトラ ベンクール(39mm)

ババと比べるとマットな質感。

♀は撮影前に産卵セットへ入れてしまっており掲載できず。。すみません。

このページではモーレンカンプオウゴンオニクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は 4〜12ヶ月(温度管理下で)

WD(野外採集個体)の場合は寿命が読めませんのでご注意を。

飼育温度:

22〜25℃前後

越冬はしませんので温度管理をしっかりしましょう。

成虫育成メモ:

湿気を少なめにすると、体がオウゴンに光り始めます。かといって乾燥しすぎると寿命に響きますので最低限の湿度はキープしましょう。

軽くマット表面が湿っている程度で大丈夫です。

後食:

1ヶ月半〜2ヶ月程度で後食を開始します。成熟の目安は後食から更に2〜3ヶ月後と言われています。焦ってペアリングを行うと無精卵を産んでしまうので、慌てず待つことが大事です。

後食が始まってすぐにペアリングをして産卵しているという情報もありますが、♀個体のポテンシャルにもよるところがありますので、あくまでセオリーとして考えてください。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

《ペアリング》

ペアリングについては、♀への攻撃はあまり起こらない種なので同居させても顎縛りは不要です。(六脚堂ではオウゴンオニに顎縛りをしたことがありません。)

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

  発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。

2)♀を先にケースに入れ、その上にそっと♂を乗せます。

3)♂、♀ともに成熟している場合は、そのままペアリングを開始してくれます。

同居ペアリングの場合は♂の交尾意欲が旺盛なので、期間が長いと♀がつかれてしまうと思います。その場合は隠れ場を用意してあげると良いですね。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

《産卵セット》

最近ババオウゴンオニに関しては産卵セットのバリエーションが増え、皆さんの様々なチャレンジがブログなどで公開されていますね。

基本中の基本としてカワラ材のセット。

他のバリエーションとしてレイシ材を使うケース、カワラ菌糸ボトルそのままでの産卵、カワラ菌床ブロックを使う産卵などです。

写真は菌糸ボトル産卵のセットです。

そして2024年春。エクストリームマットという、カワラ種がマットに産卵してくれるというとてもアメージングなマットを販売開始しております。

羽化後3-4か月で活動、後食開始しますが、それ以上休眠する個体も居ますので、とにかく焦らずじっくり見極めることが大事です。

六脚堂では後食を始めてゼリーをガツガツと食べ始めて更に最低1ヶ月は待つことにしています。

参考URLです。

レイシ材での産卵セット(カワラ材でも同じ組み方になります。)


様々なブログを見ても分かる通り、これには反応するが、これにはしない。これにはたくさん産んだがこれには産まなかった。。。などの記事が見られます。完全に、それぞれの♀ちゃんの好み?状態?によるものとわかります。

何が正しい。ということは生き物なのでありません。

そこをご理解いただいた上で、たくさん産んでくれることを「祈り」ましょう!

《産卵温度》

23℃~25℃程度が良いでしょう。

ペアリング時も少し高めだとスイッチが入るようです。

使用するケースは、材の大きさに合わせて中〜大ケースを選択。あまり大きいと、材に向き合うことをしなくなる?のでちょうどよい大きさを選択しましょう。

《ケースサイズ表》

一度に産む卵は5〜15個程度。環境にも寄りますが多くても10個程度なイメージです。

□□□ 幼虫の育て方 □□□

【お勧めのエサ】

菌糸ビン(カワラ菌糸一択です。)

発酵マットでは成長しませんので注意です。なお、初齢幼虫をいきなり菌糸カップにいれると菌糸に巻かれてしまうリスクがありますので、2週間ほど無添加微粒子マットで管理してから菌糸に入れましょう。

【えさ交換回数】

♂は1,100CC程度のボトルでも65mmUPが出ているようです。

交換は途中 1〜2回。

割り出しのタイミングが卵なのか、幼虫なのかでボトル交換のタイミングが肝になります。

幼虫割出しの場合は、

♂は300CCカップ→1400CC→1400CC

♀は300CCカップ→800CC→800CC

と言った感じで移行していきます。

【設定温度】

20〜25℃程度。

【孵化から羽化までにかかる時間】

7~9ヶ月程度。

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2024年6月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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