コーカサスオオカブトの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『コーカサスオオカブトとは』
世界最強と言われるカブトムシ。
大きな3本のツノに魅了されるファンが多いコーカサス。
そのことから英語ではスリーホーンビートル(Three Horned Beetle)と呼ばれています。また、100mmを超える大型個体になると、2本の角の間にもう1本短い角状の突起が出てくる。
喧嘩をする時は、3本の角と、長い脚を巧みに使い相手を挟みこみ放り投げるのが戦闘スタイル。
注意点としては、背中と羽の部分の間がとても鋭利になっているので、指を入れると皮膚を切られて血が出ることもあるので気をつけること!
ちなみに力は割り箸を簡単に折るぐらいの力があります。
東南アジア原産のカブトムシの中では最大級で、体長は100mmを越えます。 同属種でアトラスオオカブトと同属の種で、生息地はジャワ島・スマトラ島・マレー半島・インドシナ半島などの標高800-2000mの熱帯高地林。
中でも標高1200-1700mに個体数が多く、大型個体も多いと言われています。
また、魅力の一つとしてボディカラーもその一つ。
頭と前胸部分は黒色ですが、背中の部分(前翅)は青銅色、緑銅色、紫銅色、などのメタリック感がなんとも言えず美しいのです。
体長は♂75mm - 133mm、♀40mm - 67mm。
なお、亜種により大きさが違います。
ジャワコーカサス
♂45-121mm ♀45-60mm。最小の亜種。90mm以上は長角型が多く、100mm以上はほぼ全て長角型。 ジャワ島に生息。個体数が多いので価格が安く、ペットショップやホームセンターで売られているものはほとんどがジャワ産です。
スマトラコーカサス
♂55-133mm ♀55-75mm。体長・体積ともに最大になる亜種なので、大型を狙いたいならこれで行きましょう。スマトラ島・トアンク島・ニアス島に生息しています。
マレーコーカサス
♂50-127mm ♀50-68mm。体長の割に体積が大きい。。マレー半島 に生息し、キャメロンハイランドが特に多い産地です。タイリクコーカサスと似た形態で角を除いた身体が非常に大きく太い個体が見られる。日本国内では最も古くから知られ格好良いため人気があり、子供向けの図鑑などに写真が載っているのはほとんどこの亜種です。
タイリクコーカサス
♂55-127mm ♀55-65mm。大きさ、形態ともに平均的なマレーコーカサスに似る傾向があります。インドシナ半島とランカウイ島に生息します。個体数は少ないので日本でのブリード個体も少ない部類です。
[アトラスオオカブトとの違い]
見分ける方法のひとつとして、頭から出ているツノ(頭角)の中央部に突起があるかどうかで判断します。
突起があればコーカサス。突起がなければアトラスです。
※胸角と頭角を勘違いしやすいのですが、上の2本出ている角が胸角。顔の部分から出ている1本の角が頭角です!
日本には定期的に輸入されている種のため、価格も(大きくなければ)お手頃な価格で手に入りますのでぜひチャレンジしてみてください!
和名:コーカサスオオカブト
学名:Chalcosoma caucasus chiron
ジャワコーカサス(WD個体 105mm)
100mmを超えてくると胸角、頭角ともに美しい造形となりますね!
この個体は緑が強いメタリック
おしりのフサフサもカブト界で1番かも知れません。
♀は丸みを帯びて可愛らしい。
このページではコーカサスオオカブトの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
飼育方法は以下のとおりです!
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は 3〜6ヶ月
(輸入採集個体の場合は不明です)
飼育温度:
20〜24℃前後
25℃を超えるとちょっと危険です。
(越冬はしませんので温度管理をしっかりしましょう)
成虫育成メモ:
1〜2ヶ月程度で後食を開始します。成熟の目安は後食から更に1ヶ月程度。
大きさによって開始時期が変わります。
寿命は長くは無いので、ゼリーを食べる勢いが増してきたらペアリングの合図ですね。
♂が♀を同じケース内で飼育することは避けたほうが無難です。
♀をも攻撃してしまいます。
飼育ケースは、中ケース以上、クリアスライダー(大)など
を使用したほうが良いかも知れません。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態で
あることが必要になります。
羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!
1〜2ヶ月で後食がスタート。そこから2〜4週間位で16gゼリーを♂も♀も1日で食べきります。こうなったら成熟は完了と考えます。
たっぷりと食べさせて体力を蓄えてもらいましょう。
成熟していれば、♀に♂を乗せるだけですぐにペアリングが始まります。
《ペアリング方法》
カブト系は、ハンドペアリングがおすすめです!
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。
2)♀を先にケースに入れ、その上にそっと♂を乗せます。
3)♂、♀ともに成熟している場合は、そのままペアリングを開始してくれます。
とはいえ、生き物です。お互いに無反応ということや、♀が逃げ惑うこともあります。それが30分も続くようであれば日を改めることをおすすめします。
詳細はこちらから!
《産卵セット》
完熟系のカブトマットでOKです。
水分量は多くもなく少なくもなく。ギュッと握って固まりが出来る程度。
(水が染み出るようでは多すぎです!)
セット期間は1〜2ヶ月程度で。
たくさん採卵の場合は2週間に一度行い、何度もセットを組み直して続けましょう。
ケースは大ケースが良いと思います
温度はやや高めで、25〜28℃で設定すると良いと思います。
□□□ 幼虫の飼育方法 □□□
【お勧めのエサ】
発酵マット。カブトマット。
幼虫期間が長いので、初〜2令後期まではプリンカップから800ボトルで。
3令からは1800CC程度に切り替えましょう。
ヘラクレスオオカブトのような長い蛹室を作るわけではありませんが、長い角を出したいので大きめが良いですね。
交換は途中6〜8回程度。(ボトルサイズによります)
エサ交換をしっかりすれば、問題なく育ってくれます。
ここでとても大事な【注意】があります!!!
何かと言いますと、、、、「脱走します。」幼虫が脱走するのです。
六脚堂の子は脱走しました。
『ワンダリング』と言って、地表に出てきて這いずり回るのです。
1)タッパーのようなケースは、フタをこじ開けて出ていきます。(本当です)
2)ボトルの空気穴が大きい場合、タイペストシールなどをこじ開けて脱走します。
よって、大きなボトルを使い、蓋ギリギまでマットを入れないことです。そして、ボトルの空気穴は小さめのものが数か所開いているもの(または自作)を使用しないと、ほぼ脱走しますので、注意を!
【設定温度】
20~25℃程度で。
【孵化から羽化までにかかる時間】♂で16〜20ヵ月程度。
♀で14〜18ヵ月程度。
と大型の♂になると、最大羽化が半年ずれることもあるのでタイミングを合わせる
必要がありそうです。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2023年5月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)