舶来 六脚堂

本能のままに生きる。
カブトムシ、クワガタをもっと知れるメディア

カブトムシ

エレファスゾウカブトの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『エレファスゾウカブトとは』 

ゾウカブト種は数種類ありますが、その中でも人気種なのがエレファスゾウカブト。知名度の高さもエレファスが一番のような気がします。

そんなゾウカブト種は、大きく2種類に分かれているのをご存知でしょうか。

黒いボディの種と、茶色の微毛に覆われる種と分かれています。

黒い種では、

・レックスゾウカブト(旧アクティオン)

・ヤヌスゾウカブト(ラミレスゾウカブト)

・ヴァズデメロゾウカブト

茶色の微毛の生えている種では

・ギアスゾウカブト(プランディ、ポリオン、ルンバッシャーなど)

・アヌビスゾウカブト

・イイジマゾウカブト

※亜種関連についてゾウカブトは様々論争が有るので、ひとまずこのようなイメージで。

また、ゾウカブトの場合羽化までの期間が長いことで知られますが、黒い種は2〜3年かかりますが、茶色の種は1年半から2年で羽化してくることも特徴と言えます。

エレファスゾウカブトの、ビロード調の体毛で覆われれるボディはまるで高級絨毯。

体長ではヘラクレスなどには敵いませんが、身体の太さ、厚さはでは負けません。

エレファスゾウカブトは、メキシコ・カテマコが産地のものが主流で、体長は♂70mm - 144mm、♀50mm - 80mmです。 小型の個体でも日本のカブトムシの大型サイズになります。

飼育下では130mmを越えた個体も報告されています

和名:エレファスゾウカブト

学名:Megasoma elephus

♂109mmの個体。フシューフシューと威嚇するさまが可愛い

個体提供:minagi様

♀65mmの個体。目がキュルンとおおきくとても可愛らしい

ここからは、エレファスゾウカブトの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は意外と短く、3ヶ月〜6ヶ月ほど。

飼育の適温:

22〜25℃程度

成虫育成メモ:

ペアリングをすると極端に寿命が短くなる印象。成熟するとフシューフシューフシューと威嚇音を立てるのがとても可愛らしいです。

反面、成熟期のゼリーの消費量が半端ないです。ヘラクレスを超えてる?くらい食べます。

60gのゼリーが1日で消えてなくなるレベルでこれを毎日あげると破産してしまうのと、その分おしっこの量も相当増えるため、ケース洗浄が頻繁に。

なので、16gを2個、3日おきに与えるくらいで抑えていました。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

【成熟まで】

後食までは約1ヶ月と早めです。成熟は後食が始まってから1ヶ月程度と言われています。

成熟すると、60gのゼリーを1日で食べきってしまします。

この期間を見計らうと、♀のポテンシャル次第ですが相当な産卵数を期待できます。

《ペアリング方法》

カブト系は、ハンドペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

  発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。

2)♀を先にケースに入れ、その上にそっと♂を乗せます。

3)♂、♀ともに成熟している場合は、そのままペアリングを開始してくれます。

とはいえ、生き物です。お互いに無反応ということや、♀が逃げ惑うこともあります。それが30分も続くようであれば日を改めることをおすすめします。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

エレファスのペアリングです

【産卵方法】

産卵方法はマット産み。

完熟系のマットを使用します。

産卵管理適温:

20〜25℃

産卵数の目安:

手法によりますが1回で20個以上産むこともあり、セット回数によっては100個近く産むこともあります。

□□□ 幼虫の育て方 □□□

【お勧めのエサ】

完熟系の発酵マット。ヘラクレス用のマットでも大きく育ちます。

【えさ交換回数】

2000CC程度のボトルなら交換途中5〜6回程度でしょうか。

※ただしマットの劣化や食いつきの量にもよります。オスの大型を狙うなら各種大ケースなどを利用したほうが良いでしょう。

【設定温度】

23~25℃前後

【孵化から羽化までにかかる時間】

約1年半から2年程度でしょうか。

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

同じ日に孵化した卵が30個ほどありましたが、同じ兄弟、同じマット、同じ場所でも

成長の早いもの。遅いものと個体差が出ています。

幼虫期間は長いのですが、出てきたときの感動はひとしおです。是非チャレンジしてみて欲しい種です。

飼育情報を発信中!!!

X(旧Twitter)

2022-10-01

エレファスゾウカブトの飼育記

ーー六脚堂 飼育レポートーー

ゾウカブトをやってみたいな〜と思っていた私。奇跡的に知人のところで羽化したばかりの個体がいるとと聞きまして、さっそく購入させていただきました。「エレファスゾウカブト」です。

この辺は写真を撮っていなかったので、テキストでお楽しみください。

スペックはこちら。

産地:メキシコ・カテマコ

累代:CBF1

羽化:♂ 2022年7月 110mm  8月25日後食スタート

           ♀ 2022年8月    74mm  10月1日後食スタート

【22年10月10日】

早速ペアリングを行います。後食して10日はやや早いかな?という♀のタイミングでしたが、ゾウカブトは突然死があったり意外に早く☆になると聞きますので、今回は実験も兼ねて進めていきましょう。

通常後食してから1ヶ月程度の成熟下と思われるところまで待とう。というセオリーと、エサを食べ始めたら自然界ではペアリングは当たり前に行われているだろう。ということですぐに行うブリーダーさんもおりますので実験です。

ペアリングは♀の上に♂をそっと乗せる、ハンドペアリングにて。

産卵セットは、月夜のきのこ園さんの完熟マットのみです。

下半分を固く詰め、8割まで手で押さえつける程度。

水分はセオリー通り。握って染み出ない程度です。マットはコバエが出てくるまでは同じものを何セットも使いまわしています。(途中で冷凍などもしません。)

管理温度は、25〜27℃の設定です。

産卵セットの組み方はこちらから。

ケースはDAISOの20リットルケースに、底から半分のところまでカチカチに詰めます。その上は手で抑える程度。

上層部1センチほどふんわり置いて、転倒防止材にバークチップをこれでもかというくらい敷き詰めました。

エレファスは大好きな種なので、たくさん欲しいため細かく採卵回数を増やす方法を取りました。その結果は、、、

【22年10月25日】15日で採卵→22個。すぐに組み直して、

【22年11月6日】12日で採卵→19個。すぐに組み直して、

【22年11月13日】7日で採卵→4個。少し勢いが落ち始めました。

【22年11月25日】12日後でとうとう0個

順調に採れていく中、♂が2022年11月27日に☆になりました。羽化から3ヶ月ですね。

朝、いつも通りにゼリーを入れ替えしようと見てみると、☆になっていました。

エレファスは突然に電池が切れたように固まって☆になるよ〜。と聞いてはいましたが、まさにその通りでした。

フシューフシューと威嚇するさまはとても愛らしく、前日まで符節掛けもなく元気にゼリーをたいらげていたので、こんなにも突然なくなるものかと衝撃を受けました。

追い掛けは出来ませんでしたが、気を取り直してセットを作り続けます。

【22年12月9日】14日後採卵→28個。おや、復活しました!

【22年12月16日】7日後採卵→18個。まだまだ行けるのか。。。

このあと♀ちゃんは2022年12月22日の夜☆になりました。

【生涯 卵91頭→孵化65=71.4%】

無事にたくさん孵化してくれましたが今度は羽化ズレを気にしないと行けないかもですね。ブリードをしていく時の大きな課題です。

羽化時期の調整はいくつか方法はありますが、割と寿命の短いエレファスゾウカブトでも2ヶ月に渡って採卵を行なったことで、次の累代の心配が減りましたね。

※ 羽化ズレの調整方法はこちらから

では、続報をお楽しみに!

★★★★★★★★★★★★★★★★

たくさんの種類のカブクワ情報発信中です!

舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)

X(旧Twitter)  ぜひフォロー& 通知を取ってください!

★★★★★★★★★★★★★★★★

2023-10-10

エレファスのマット交換を一部。

12月30日採卵分の子のマット交換です。成長はいまいちですね。

この子の履歴を見てみると、

1月18日。最初のマットはハワイアンビートルのJ01。

3月20日。ハワイアンビートルのJ02へ。33g。

6月4日。ハワイアンビートルのJ02。68g。ここはいい成長率ですね。

7月17日。88gです。ここで、完熟マットに変更しました。

10月10日。96g。

後半の落ち着き感は、マットをハワイアンビートルからの変更が良くなかったのでしょうか。

ただ拒食にはなっていないのでゾウカブトはマットの種類を変えても対応してくれますね。

12月あたりで100g超えて4月の春に120gを超えて行ってくれればいいところではないでしょうか。

まだまだ楽しめますね〜。

1月18日。最初のマットはハワイアンビートルのJ01。

3月7日。14g。ハワイアンビートルのJ01のまま。

6月4日。ハワイアンビートルのJ02。58g。♂判定に変わりましたね笑

7月17日。70gです。ここで、完熟マットに変更しました。

10月21日。78g。

1頭目の子に比べると少し小ぶりですね。もしかしたら♀?

エレファスは販売に回った幼虫も居ます。羽化まで長いので、スポットでマット交換していく子たちの紹介をしていきます。

成長率など参考にしていただければ幸いです。

★★★★★★★★★★★★★★★★

たくさんの種類のカブクワ情報発信中です!

舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)

X(旧Twitter)  ぜひフォロー& 通知を取ってください!

★★★★★★★★★★★★★★★★

2024-07-01

エレファスが羽化し始めました!

【24年7月1日】

いよいよ、というか、忘れた頃に、、というか。

エレファスに変化が出てきました!2022年の11月24日から12月30日の産卵セットから、1年と7ヶ月。最終の交換から3ヶ月程度なので、マットを交換しようと思ったその時です。

きたー!!!!!!!ぎやーーーー!!!

蛹だサナギだ!!!

嬉しくて出しちゃったもんね。

嬉しくて計っちゃったもんね。長さは測り忘れましたが、♂でサナギ72gは小さいですね。でもいいんです。

こっちも交換しようとしたら、、、

ババーン!

羽化してました!

もう1頭開いてみると、

こっちは幼虫です。♂で91gは全然小さい方です。

今回の全般的な敗因は(小さいと言う意味で)、マットをコロコロと変えてしまった事による弊害が一番大きいのかな?と考えています。

また、ブリードルームが落ち着かず、コバエの発生を何度も起こしてしまったこともあげられると。今は環境がだいぶん落ち着いてきたので、2周目は成長度合いが大きく変化するものと思っています。

今回のエレファスは、全般的に小さい子たちでフィニッシュすると思っていますが、同腹兄弟が10頭ほどいますので、先に♀の羽化ラッシュがあり、10月くらいに♂のラッシュに入るはず。

次に別の種親での飼育もスタートしておりますので、そちらも随時レポートしていくつもりです。

続報をお楽しみに!

★★★★★★★★★★★★★★★★

たくさんの種類のカブクワ情報発信中です!

舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)

X(旧Twitter)  ぜひフォロー& 通知を取ってください!

★★★★★★★★★★★★★★★★

2024-08-13

エレファス別ライン始まっています。

【24年8月13日】

2022年11月〜12月に仕込んでいた子たちが現在、続々と羽化を初めています。

カブト好きな自分が更に好きなゾウカブト。中でも神々しいのがエレファスゾウカブトです。ハムスターを超える大きさもさることながら、茶色の微毛加減も美しい。そして、温厚だけど「フシューフシュー」とエサにかぶり付く様は本当に癒やされるカブトムシの一種。

時間も他のゾウカブトよりもかからないので、クワガタ派の方でも一度はトライして欲しいおすすめの種です。

前置きが長くなりましたね。

実は2022年のラインで、早期羽化してきた♀ちゃんがおりました。できるだけ間を開けずに累代していきたいとおもい、お仲間から種♂(115mm)をレンタルして10頭孵化してきた子たちがおります。

今回はその子達の成長記録になります。

まずはボトルを準備しました。

2000CCのボトル。大きい子がいたらメガフードコンテナが4つ残っているのでそれに入ってもらいましょう。

エレファスゾウカブトの幼虫は、1400CCボトルでも飼育が可能なのですが3令になりたてはメッチャクチャマットを食べます。下手したら2ヶ月でフンだらけになります。

エサ切れをさせないなら小さめボトルで場所を取らないようにもできますが、マット交換は幼虫のストレスになるので六脚堂では大きめにいれることにしています。

4月に2令で割り出しし、1000CCのボトルで管理。温度は23〜25℃。マットはRUSHレギュラーマットです。

1本目。この子はもう半分になってますね。マットの仕込みが遅れてしまいました。。。

ボトルマジックでも何でもなく、どでかいのが鎮座しておりました。ごめんなさい。

お父さんのおつまみレベルでフンガ大きい。とっくに3令になっています。

信じられないくらい大きい幼虫。初めて見るお客様などは、その大きさに驚愕してくれます笑

24年2月に孵化したと思われるので、ちょうど6ヶ月くらいでしょうか。

89gはそこそこいい感じの成長と考えていいでしょう。

この子は♂なのでメガフードコンテナへ。

※ メガフードコンテナとは、DAISOで販売されている5.5リットルの塩ビケースのこと

これで3ヶ月は持つでしょう。

次に2本め。この子も半分減っています。

あ、意外に小さく55g。♀ですね。

3本目。この子はそれほど減っていない様子。

でも70g。22年のときよりも若干ですが成長度合いはいい感じですね。

4本目です。

これもでかい!

と思いきや普通でした笑

ここからはボトルの写真なしで。

70g。頭側の膨らみがなかなかですね。幼虫もみんな若干の違いがあって面白いです。

6本目。

きたー!期待の新人!この子は良いですね〜。150gくらいまで行ってほしいものです。

しかし、管理次第で6〜7ヶ月で130gに乗っているというブログもありますので、成長は遅い方なのかも知れません。(マット切らしていなければ・・・。残念。)

ただここから約1年ありますので、これからの伸びは十分期待ができますね。

7本目。70g。

8本目、63g。

9本目、79g。

10本目。68g。

10頭、ちゃんと成長しています!

この子達は最後までRUSHマットで通していくつもりです。20頭くらいいたらヘラクレスの廃マット処理チームとして活躍してもらっていたかも知れませんが、英才教育で行きます笑

では、続報をお楽しみに!

★★★★★★★★★★★★★★★★

たくさんの種類のカブクワ情報発信中です!

舶来 六脚堂(はくらい ろっきゃくどう)

X(旧Twitter)  ぜひフォロー& 通知を取ってください!

★★★★★★★★★★★★★★★★

KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

WILLPLANTのWEBはこちら コンテンツ制作:カブトコロシアム

《Xのアカウント》

X:@kazuhiroyoshii