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クワガタ

アローコクワ(亜種 nobuhiroi の飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『アローコクワ(ノブヒロイ)とは』

アローコクワガタはコクワガタの仲間の中でも大型に分類される種になります。

アゴの形状などは国産のアカアシクワガタに似ている感じでしょうか。体色は光沢があり、赤茶色の前翅を持ちます。これに一目惚れする方も多いでしょう。

コクワガタといえば、最近はコクワガタ最大種(80mmを超える)であるドンキエールコクワ(通称:赤ドンキ)が人気で価格もペアで5〜10万円と高騰していますね。(2023年現在)

ブリーダーさんが増えていることを考えると、あと3年位で価格も落ち着いて来るかもしれません。

赤ドンキが高額が故に、次に大型化しやすいアローコクワ亜種リエンも人気種です。リエンはもともとマグダレインコクワSSP(ベトナム産)と呼ばれており、同定されずに産地のみで判断して流通されたりもしているらしいので、いろいろ気をつけたほうが良いのかもしれません。

地域同定に関する動画をUPされている方がおりました。気になる方はご覧ください

https://youtu.be/vNWSurEXUDA

ノブヒロイに間して産地は、タイ北部。ミャンマー寄りとなります。

原名亜種の産地は、雲南省西部、ミャンマー北部、チベット自治区など。温かい地域ではありますが標高の高い地域ですので低温(18〜20℃)での飼育が良いそうです。

和名:アローコクワガタ ノブヒロイ

学名:Dorcus Arrowi nobuhiroi

六脚堂飼育個体  ♂(52.4mm)少し小ぶりですね。(でもかっこいい)

こちらが♀(39,5mm) 背中の赤がなんとも言えません。目の大きさも好み。

ゴロファ系は♂がきれいな色で♀は真っ黒。なんてことがありますがクワガタは♂♀色が

つくパターンが多いので所有感上がりますよね。

ここからはアローコクワ(ノブヒロイ)の飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は、1年から2年ほど。

※ペアリングの回数によっては短くなります。

飼育の適温:

18~23℃程度

成虫育成メモ:

およそ後食まで4~6ヶ月程度。寿命は長いので慌てずにしっかりと成熟させるのが

ポイントです。中には10ヶ月は待つという方もいるようです。

また、成熟を早めるならば23〜24℃と高めで管理する方法もあります。

温度管理さえできればブリードは割りと簡単な部類です。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。

羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

【産卵セット】

材産みですので、下に引くマットは何でもOKです。産卵木はコナラなど転がし(マットに埋めない)でOK。

また植菌カワラ材などは反応が良いみたいですね。

また、タランドゥス、レギウス、オウゴンオニ、ネパールコクワ(ネパレンシス)の産卵セット同様、カワラ菌糸ボトルのフタを開けて置いておく方法でもOK。

《カワラボトル産卵セット》

【ケース】

投入する材の大きさに合わせます。クリアスライダーラージくらいで良いのでは無いでしょうか。多産種なので、1回でたくさん取りたいときは大ケースなどに材を2〜3本入れるのも良いのではでしょうか。ブログなど見ていると、1回で20〜30は産んでいるようです。

《産卵セットのリンク》

《ケースのサイズ表》

□□□ 幼虫の育て方 □□□

【お勧めのエサ】

菌糸(カワラでもオオヒラタケでもOK)

六脚堂おすすめ 菌糸ビン一覧

🪲 オオヒラタケ菌糸ビン

メーカー 菌糸ビン
フォーテック G-pot スタウト
(六脚堂でも販売しています)
ブリーダーズ・ファーム 大夢B オオヒラタケ菌糸ビン
月夜野きのこ園 月夜野きのこ園 菌糸ビン

🪲 カワラ菌糸ビン

メーカー 菌糸ビン
フォーテック G-pot カワラ
(六脚堂でも販売しています)
ブリーダーズ・ファーム 大夢B プロスペック
月夜野きのこ園 カワラN菌糸ビン

菌糸メーカーさんは多数ありますが、在庫切れが少なく、初心者さんでも安全に羽化するタイプの菌糸ビンを選択しています。
クワガタの種類によっては、オオヒラタケ・カワラどちらの菌糸も適用可能です。用途に応じてお選びください。

【えさ交換回数】

500ccのボトル程度で1本孵し。もしくは途中1回程度。

※温度やマットの劣化具合、食い進みにより変化はあります。

【設定温度】

20~23℃前後。

大型を狙うならワインセラーなどを使い、20℃前後でじっくりと。

【孵化から羽化までにかかる時間】

7 ~10ヶ月程度。低温だと12ヶ月程度となります。

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2023年5月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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2023-05-24

アローコクワ(亜種nobuhiroi)に着手しました。

ーーー六脚堂飼育ブログーーー

【23年5月24日】

この度、オークションにてお手頃価格で見つけたのが「アローコクワ ノブヒロイ」です。

B♀も含めて、3等の♀付きでした!これは捗るはず。ということで、飼育記をスタートします!

では早速、スペックの紹介です〜。

【種類】アローコクワ亜種ノブヒロイ 

Dorcus arrowi nobuhiroi

【産地】タイ北部・チェンマイ県 ファン

【累代】CBF4

【サイズ】 ♂52mm(顎閉) ♀Free×3

【羽化日】♂2023.3月下旬 ♀2023.3月上旬 

おそらく成熟するのは8月。寿命は長めなのでしっかりと管理していきたいですね〜。

ここでちょっと情報整理を。

アローコクワガタは、コクワガタの仲間の中でも特に大きくなる種類で、アゴの形状が、日本産のアカアシクワガタと少し似ているのが特徴。体色は光沢があり、背中は美しい赤茶色をしているので、所有欲が最高に満たされるのです。

生息地は主に、雲南省の西部やミャンマーの北部で見られます。亜種にはリエンやマグダレインなどがいますが、今回は原名亜種だけに注目します。また、ノブヒロイはタイの北部で見られる種類です。

タイのミャンマー、ラオス国境付近に行ったときに、ババオウゴンオニゴホンヅノカブトの写真を現地の子に見せて、俺飼育してるんだぜ!って行ったら、これは祭りで売っているオヤツだと言われて、「本当に食べるんだ・・・」と思ったものです笑

ということで同居ペアリングを初めます。

♀は、A、B、Cとラベリングしていましたが、Cが成熟前に☆になってしまったので、2ラインで初めます。

同居期間はそれぞれ1週間程度。目視はできませんでしたがメイトガードしているので大丈夫でしょう。

セットはクリアスライダーラージに、余っていたカワラ材を転がしでいきます。

【23年11月17日】

ここからは、残っていた写真と記憶をたどりながら書いていきますので、多少日付と幼虫の頭数、セット回数などがおぼろげになりますのでご容赦ください。

9月17日〜10月10日まで入れていたAラインのケースを割り出してみましょう。

おお!いい感じにかじっている!!

ただの隠れ家を作っただけかな??笑

あ〜良かった。まずは1頭です。

とりあえず、3頭と卵5個を回収できました!

この子達は菌糸に入れる前に100均ケース(薄いアクセサリーケース)に管理していたのですが、マットの量が少なかったせいか、すべて☆になってしまいました。

やはりプリンカップなどで管理しないとだめですね。反省です。

今度はBラインの採卵でございます。Bラインは月夜野きのこ園のカワラ菌床ブロックを使ってみました。

ケースは、コバエの侵入抑制ケース中です。コバエシャッターよりもやすいのでオススメです。

9月26日から10月17日まで♀が入っておりました。

開けてみるとこんな感じです。カラッカラです。

ここからは、7頭の2令幼虫をゲット!!そのまま、e-800の菌糸に詰めます。

【24年5月19日】

アロー君たちが蛹室作りに入ってます。ルーム内の子達もいくつか前蛹になってっています。

孵化してからおよそ7ヶ月経ちましたので、あと2ヶ月もすれば羽化ですね〜。

小さいっぽいけど楽しみに待ちましょう!

ちょっと飼育記としては期間が空きすぎですね。備忘録としてもこれではちょっと役にたたない?そんなこたーない!笑

数が多いのと、業務多忙を言い訳にさせてください!!

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2024-08-30

アローコクワ(亜種nobuhiroi)羽化報告

ーーー六脚堂飼育ブログーーー

【24年8月30日】

「アローコクワ ノブヒロイ」の羽化報告です。

3♀体制でのスタートも、成熟前に♀1頭が☆に。結果、2頭体制。

A♀

・カワラ材の転がしで産卵セット

・3頭と卵5個を回収するも、管理ミスで全て☆に・・・。

B♀

・カワラ菌床ブロック丸ごと投入産卵

・2令7頭の幼虫

・すぐに菌糸ボトルへ。(オオヒラタケ)

7頭のうち、5頭が羽化してまいりました。

2♀体制の割にはとても寂しい結果となりましたが、まずはつなげたことに感謝です

すべて月夜野さんのe-800を使用して♀は一本孵し。

♂はe-800を2本。

1頭目の♀。38mm 。

23年9月〜10月産卵セット。

24年2月3日割り出し:2令で菌糸800ボトル投入

24年7月12日に羽化確認

24年8月30日に自力ハッチしてきました。

2頭目、♀36mm。

23年9月〜10月産卵セット。

24年2月3日割り出し:2令で菌糸800ボトル投入

24年7月12日に羽化確認

24年8月30日に自力ハッチしてきました。

※1頭目と同じ確認日なので時系列が同じになります。

動き回るのでこれしか撮影できませんでした〜

3頭目、♀34mm。

23年9月〜10月産卵セット。

24年2月3日割り出し:3令?で菌糸800ボトル投入。

この子は上の子たちよりも早く孵化してたと思われます。

24年5月14日に蛹化確認

24年6月15日に羽化確認。

※早い孵化?もしくは早期羽化だったのか、小さい♀ちゃんでした。

4頭目、♂ 60mm。

23年9月〜10月産卵セット。

24年2月3日割り出し:2令?で菌糸800ボトル投入。

24年5月11日:11g

24年10月19日に羽化確認。

※現レコードは74mmなので小さくは無いけど大きくも無いです。

裏側は宇宙人みたい。私の感覚ですあくまで。

5頭目、♂ 65mm。この子は種親にします。

23年11月30日割り出し:初令だったのでマット管理。

(このコだけ外から見えていたので出してしまいました。)

23年12月20日:オオヒラタケ菌糸へ。

24年6月21日:2本目の菌糸へ移動。

24年12月20日:羽化確認。65mm

※現レコードは74mmなので小さくは無いけど大きくも無いです。

ということで、とても寂しい結果ではありましたが次に繋げるという意味では2♂3♀は悪くないかなと。

とりあえず 1♂2♀でつなげ、1ペアは4月のイベントに出そうと思っております。

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2025-02-23

アローコクワ(亜種nobuhiroi)ペアリングさせてみよう!【いよいよ2周目】

ーーー六脚堂飼育ブログーーー

【25年2月23日】

「大きいは正義!!」がモットーである六脚堂。

※本当は完品羽化です。ただ大きい種類は嫌いではありません。

アローコクワ。そう!コクワ界隈で最も大きくなるコクワガタ!!!

しかも、シャープで黒い艶ありボディの上、上翅が赤くなるなんて、まじで男心をくすぐりませんか??まじでかっこいい。

今回は、亜種であるノブヒロイのペアリングをします。ハンド&同居的な雰囲気で。

なんとか5頭を羽化させたうち、中でも大きい♂(65mm)と大きい♀(38mm)をチョイス。

雰囲気はいいんだけど、

煮えきらない二人。警戒心が強いのであまり人のいるそばでは反応しづらい感じです。

もう食べ始めて1ヶ月経つのでいい頃合いかとは思うんだけどな。実際、♂の顎の間に♀が入っても挟む様子はありません。が、反応する様子も無し笑

できれば、ペアリングが完了するところを目視してからセットに♀を入れたいのですがね。

「ペアリング」というワードで子の記事にたどり着いた方向けに、今後の方針を参考までにお伝えしておきますね。

(なんて言っちゃってるけど、自分の備忘録&管理用でもあるのです)

ではまず、

1)ペアリング後は、3日〜5日間♀ちゃんにたっぷりゼリーを食べてもらいます。

2)産卵セットは「カワラ菌糸ボトル1400」に♀を投入する。

※ 産卵に使用するカワラボトルは、3〜4ヶ月経って菌が元気を失っているものを使用。元気印の状態だと卵が菌糸に巻かれてだめになっちゃうので。

3)2令幼虫が見えてきたら、それぞれカワラ菌糸800ボトルへ。

4)♂は1400ボトルへ惜しげもなく投入

と考えています。

アローコクワは、カワラ、オオヒラタケ、シワタケ、どれでも大丈夫なようです。ブリーダーさんによっては、最初は菌糸に入れて3令後期でマット管理にする方もいます。

店頭での販売を考えると、原価を下げるために菌糸はたくさん使いたくは無いけど、やっぱりお客様は大きいのを欲しがります。(大きいは正義だから)

でも価格が高くなるでしょ?そうすると買えないって言うんです。笑

もう!わがままなんだから!!笑笑

近況:

実はリエンも24年6月羽化のトリオがいます。(♂1♀2。3頭だからトリオって業界では言います。)♂は73mm。レコードは78.6mmだから、大きい部類だと思っています。

虫に向き合って何百と飼育している方が出したレコードに追いつこうなんて思ってません。そう考えると75mmあたりを出したら相当でかいと思うんですよ。なのでそれを狙います笑

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

WILLPLANTのWEBはこちら コンテンツ制作:カブトコロシアム

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