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クワガタ

メリーメンガタクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『メリーメンガタクワガタとは』

アフリカ・カメルーンの美しいクワガタ、それがメリーメンガタクワガタです。

特徴は何と言ってもネーミングの由来となっている背中のお面のような模様と、45mm程度を超える大型のオスに出現する巨大な頭楯(とうじゅん:ひさしの様なもの)です。

個人的には特にメスの模様がとてもキレイで好きなクワガタです。頭楯は大型のオスでは巨大に発達して正面から見るととても迫力があります。

また触覚も多種にはなかなかないくらいに長く、最大個体でも58mm程度の小型種です。小さくても爪の力は強く、素手に乗せると傷がついてしまうので注意ですね。

飼育は容易で、多産種ですのでブリードも難しいほうではありません。

しかし、ひとクセありまして、羽化後は長期の休眠期間があります。最低4〜6ヶ月は活動を始めないのです。(活動開始までは、温度管理、乾燥対策が必要です。)

※なお、羽化後の管理方法はこちらをご覧ください。

後食し始めたら成熟した証拠ですので、寿命も短いためなるべく早くブリードしましょう。

サイズ感は、飼育レコード:58.5mm  野外レコード: 53.6mm (2021年 BVE-KUWA)販売されているサイズは45mm前後が多く、50mmを超えると5〜6000円程度になります。(2024年春)

余談ですが、アフリカ カメルーンのクワガタといえば、人気種が多いですね。

・レギウスオオツヤクワガタ

サバゲノコギリクワガタ

・フクスクノコギリクワガタ

など綺麗な種が揃っていますね。

また、「わたくわ」さんがコンゴ産のメリーメンガタの飼育ブログを公開していますのでご紹介しておきますのでリンクを御覧ください。

和名:メリー・メンガタクワガタ

学名:Homoderus mellyi

♂は50mmを超えてくるとヒサシが大きくなりかっこいい

♀色のバランスが良くとてもキレイ

このページではメリーメンガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育の仕方 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は6ヶ月〜1年間ほど。

飼育の適温:

18〜26℃

成虫育成メモ:

ペアリングは意欲旺盛なので、一緒のケースで飼育すると♂が♀を追い回して

疲れちゃいます。別々のケースで飼育することをおすすめいたします。

温度は20℃を切ると極端に動きが悪くなりますので高めにしてあげるといいかも知れません。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!

後食まではなんと約6ヶ月。じっと我慢で待ちましょう。

(近似種のグラディアトールメンガタクワガタは2ヶ月程度と早い。)

成熟は後食が始まってから2週間程度と言われています。寿命も短いので早めにペアリングしたほうがいいかも知れませんね。

また交尾意欲も非常に旺盛な種なので、WD(野外採集個体)成熟個体は同居するやいなやペアリングが始まる印象です。

産卵方法は材に多く産む印象ですがもマットにも産みます。

産卵用マット:

フォーテックさんの《産卵1番》で良い結果が出ています。

(幼虫飼育をそのまま産卵一番だと、栄養が足りず大きくなりにくいですね。)

産卵管理適温:

25〜28℃

産卵数の目安:

手法によりますが1回で20個以上産むこともあり、セット回数によっては

50個近く産むこともあります。

産卵セット方法

《ペアリング方法》

クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!

(メンガタは交尾意欲が旺盛なのでハンドペアリングも可能です)

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

    (隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)

2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。

  (ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)

3)攻撃力の高いヒラタ系、ノコギリ系は顎縛りしましょう

4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

□□□ 幼虫の育て方 □□□

【お勧めのエサ】

マットでも菌糸でも成長してくれます。

添加マットでも大きく育ちます。菌糸を使うから大きくなる!ということでもないのでマット飼育で良いと思います。

蛹室は繭玉を作るのも特徴です。また、温度が低いと、蛹の状態で羽化できず★になることが多いので注意が必要です。

【えさ交換回数】

800CC程度のボトルなら交換途中1〜2回程度でしょうか。

※ただしマットの劣化や食いつきの量にもよります。♂の大型を狙うなら1500CCボトルなど使っても良いでしょう。

【設定温度】

23~25℃前後

【孵化から羽化までにかかる時間】

6〜10ヶ月程度でしょうか。

♀が先に羽化してきますが、後食まで時間が長いので累代する場合は温度調整など行いましょう。(羽化ズレ対策はこちらからどうぞ)

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2023年4月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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2022-11-28

メリーメンガタの成虫を買ってきました。

ーーー六脚堂 飼育ブログーーー

飼育品の買い物をしに、札幌のショップへ行った際に一目惚れをしました。

・黄色いボディ。

・見たことのない頭の「ヒサシ」

・長い触覚

・体のバランス

・♀のとてつもなく綺麗なボディ

瞬間、レジ持って行っておりました。

アフリカ・カメルーンからのWD個体。その名も「メリーメンガタクワガタ」です。

サイズは ♂46mm ♀36mm。

【22年11月28日】

クリアスライダー(小)に入っている二人。家につくなり、仕切りを外してみたところ、すぐにペアリングが始まりました。

WDなので必要はなかったのですが、用心です。

【22年11月29日】

次の日も、明くる日も、♂が♀を追いかけます。

メイトガードどころか常にですよ。

【22年11月30日】

いい加減入れないと、♀が大変なことになる!そう思い産卵セットを作ります。

・ケースはクリアスライダー ラージ

・クヌギ材(大)1本、中(1本)で、大はガッチリ加水。小は10分くらい。

 万全を期して2種類作ります。

・マットは完熟マットです。

【22年12月1日】

 産卵セットをブリードルームの温度に合わせたところで投入します。

【22年12月10日】

♀は潜りっぱなしで今のところ上がってきていないですね。

【22年12月20日】

このままマットで★に、、もしくは卵を食べて生きながらえるのか!などと不安になっていたところ、やっと上がってきたところを回収です。 

【23年1月5日】 

産む気配を消したくないので、お正月ですが2回めの産卵セットに投入!

1月15日に♀を無事に回収出来ました。次も行けそう!

【23年1月12日】 

ケースの端から幼虫が2匹見えて来ました。マットにも産みますね。

そこで割り出しを決行。すると、13の幼虫と1卵が!

(一旦プリンカップで管理します。)

【23年1月20日】

動画撮影をしながらだったので、取りこぼしが無いか確認したところ、

なんと9頭!!

どんだけ節穴!!

またプリンカップで管理します。

初二令なので完熟マットにて管理しています。

順調の中、♂が、1月24日⭐️になりました。こうにゅうしてからおよそ2ヶ月。

やはりWD個体は長持ちしませんね。

たくさん子供を残してくれてありがとうございました。

(彼はしっかりと標本にしています)

【23年1月29日】

第1弾の14頭を、なんとなく雌雄判別で700と1100に引っ越しします。

きのこマットに切り替えてみます。

2便の9頭は完熟マットからこちらもきのこマットに変更します。

【2月9日】

3便目の割り出しを行います。

まだまだ取れそうです。♂7頭に♀10頭。

プリンカップ400にきのこマットで。1頭だけ余っていた1000(菌糸半分)にイン。

現在のところ、合計40頭。いい調子ですよね。

次は羽化の報告をいたします!

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2023-06-01

メリーメンガタの羽化

【23年6月初旬〜】

♀の羽化ラッシュが始まりました。全部で7頭!

ここから半年間。メリーはメンガタクワガタの中でも半年は休眠があるようなので、しっかり寝てもらいましょう。

【23年7月30日】

幼虫の販売も順調だったので数も絞られてきました。そしてなんと気がついたら確認できていた♂のサナギは全落ちしてました。。。。

残った♂ボトルは1つのみ。

こいつだけはなんとか羽化させてください!!!神様!!!

パカッ!

なんと!!!

生き残った♂が完品羽化してきました!!!!

しかも!54mmとなかなかの大型!やったぜ!!

【23年10月23日】

実は、別記事にもアップしていますが「ふるさと納税」で成虫を購入できるの知ってます?

1♂に対して♀が多かったので、実は補強しました。

この子達です!!!ババン!

♀はちょいと小さめですが、♂は50mmアップ!!

2♂、4♀くらいの体制で行こうと、ホクホクしているのです。

【23年11月20日】

4ヶ月くらいで♂が後食を始めました!!

♀も1頭、後食を開始しています。基本は6ヶ月休眠と言われているので早めにはじまりましたね。

そろそろ♀の種親候補を選んで、12月にはペアリングしましょうか!

メリーはたくさん生まれても、欲しいと行ってくれる方が多いので作れるだけ作りましょう

\(^o^)/

♀も2頭スタート!

(1♂に対して♀が多いので、♀単で販売ですね〜。)

あとは成熟を待って、WDF2を狙っていきたいと思います!!

次回!ペアリングの記事です!

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2023-12-01

メリーメンガタWFの2周目入ります!

【前回までの おさらい】

7頭が無事に羽化してきたWDの子供達。♀ラッシュのあと、繭玉の中で♂が全滅。1頭だけ残された♂ラベルという恐怖におののきながら、待っていたら54mmが羽化してきました。

まさにレインメーカー。救世主です。

結果、♀6、♂が1。ぎりぎりで累代のチャンスが紡がれたわけです。

そして最後の♂が54mmというラッキーにも見舞われ、慎重に進めていきたいわけです。

ぎりぎり紡がれた記念に、♂の写真は撮ったのですがペアリングの模様を撮っていないというミステイク!!興奮しすぎでした。

この胸部のヒサシが最高に可愛いしかっこいいと思いませんか??

♀3頭を選抜し、A、B、Cラインとして管理します。なんせ、爆産パターンと悲惨なパターンが想定されるわけです。かといってたくさんに掛けすぎるのは♂の寿命にも関わるわけです。

こんなにカワカッコイイ♂を早死捺せちゃうのは本当にもったいない。

できればずっと鑑賞していたいのです。

ということでまずはAラインからスタートです。

微粒子発酵マットには、川口商会の微粒子マットをチョイス。材は入れても入れなくてもメリーメンガタは大丈夫なのですが、慎重に行くたいので入れてしまいました。笑

しかし・・・。♀ちゃんは2週間ほどで☆になってしまいました。

羽化後の管理に問題があったのかも知れません。後食が4ヶ月だった。というのが不自然に早すぎた気がしています。

こちらは割り出したものの、0でした。こんなこともあります。生き物ですから。

産卵行動に移る前に☆になっていたのでしょうね。3ライン作っておいて良かった。。

【24年12月20日】

Bラインのセットを組み、♀を入れます。なんだかんだ言って、Bラインにも材を入れました。

材に産まなくても足場として使うので産むのが楽になるとも聞きました。

【24年1月4日】

続けてお正月から産卵セットを組みました。Cラインです。Aがだめだったので実質2ラインで。

【24年2月22日】

Bラインの割り出しを行いましょう。セットから2ヶ月経って幼虫が見えています!

表面の雰囲気も良いですね。

ちなみに自分はクワガタの中ではメリーメンガタが特に好きです。独特なフォルム、鮮やかな黄色。こんなクワガタなんぼいても構いません。

きたきた。キレイな幼虫。

材からも出てきました。孵化したばかりですね!

ちっせ!老眼で良く見つけられたわ〜。幼虫センサーがバッキバキですな。

ここにもいそう。センサーが働きます。

埋め戻しからは卵が出来てきました!!ギリギリまで産んでいるようですね。

また出た!とてもいい感じ!ただ、メリーメンガタは卵で採っちゃうと孵化率が悪い感じがします。

結果、8幼虫に8卵でした。一旦、一つのボトルにまとめました。

なお、割った材とマットは捨てずに一時保管します。取りこぼしは必ずあります。

1ヶ月後確認しましたところ、その取りこぼしから9頭もでてきました・・・。自分の目が節穴だと改めて認識。このまま廃棄してしまうと、放虫に繋がりますので気をつけてください。捨ててしまう前に冷凍してからゴミに出すことをおすすめいたします。

同じ日にボトルで管理していたBライン。1ヶ月足らずで残ったのがこれしかありません。ちょっと水分が足りなかったかな・・。

やはり早くに移動してしまうと☆になる率が上がってしまいます。

【23年3月18日】

次にCラインの割り出しです。こんな感じに荒れている時は期待してしまいますね〜。

でもやや4ヶ月は流石に放置しすぎですね。幼虫がでかいよ〜。

5頭出てきました。

3頭の♀で考えていましたが、売れ残った♀を更に2頭増やしてA〜Eまで作りました。もうラストと考え、♂と♀一緒にいれることにしました。

これはイベントで購入した産卵一番をコバエシャッター(大)に入れていました。

これがとても良い結果を出してくれました。

19頭です。

【24年7月1日】

そろそろ3ヶ月を過ぎたのでマット交換をしようと開けてみたところ・・・

え??何だこりゃ??

羽化してるではないですか・・・。

ため息が出るくらいカッコよく、美しいですね。

これは早期羽化ですね。近日、Cラインですラインのボトルを確認します!!

なお、メリーメンガタは6ヶ月くらい後食しません。この羽化後の管理もキーポイントです。湿度、温度の管理がシビアになりますので、理想的にはハッチしてくるまで待つことです。

WDをつなげていきたいので、全部は開けずに行こうと思っています!

□□□□ 今回使った用品はこちら □□□□□□□□

マットはフォーテック、産卵一番

ケースはデジケースHR-2(廃盤)のためおすすめは

セパレートケース(中)

材はコナラ材。高いものである必要はありません。

□□□□□ AMAZONリンクです □□□□□□□□

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2024-07-20

メリーメンガタの♂の蛹を見てみよう

【前回までの おさらい】

WD個体がギリギリのところで累代が出来たという話しです。

前回、♂が早期羽化してきまして、そろそろ他のボトルの交換もしなきゃな〜という時期です。

【24年7月20日】

12月20日23日に♀ちゃんを仕込んでいたBラインで、8幼虫8卵採れていて多頭飼育から解除したときに4頭しか残らなかったラインです。

このボトルを交換していきます。

開けてみたらこれですよ。。。

もう少し成長タイミングを管理しないといかんですね。でもでも、裏を返せばメリーメンガタは繭玉を作る種なので、なかなか出てきてしまった蛹を見ることは少ないと思います。

(繭玉から出すと、温度がキープできないからか羽化不全が起きやすいと言われます)

ヒサシ(頭楯)部分が大きいのでこれは期待できますね(^o^)

いやー本当に神々しいです。

ヒサシの張り出しやばくないですか!?

これは50mmオーバーは確定ですね。

これを見てしまったら、もうほかは開けられません。

2ヶ月はこのままでしょうかね。また、メリーメンガタは後食まで約6ヶ月休眠します。

そのまま自力ハッチを待つと完全にマットが乾いてしまうので、乾燥する前に取り出して管理する必要があります。

羽化したら、管理方法の手順をやってみたいと思います!(Cラインの子はすでに管理状態ですが、写真を採っていませんでしたので。)

ちなみに今回の蛹くんですが、繭玉の下の部分は生き残っていたので、上からキッチンペーパーをかぶせて加水しています。

これでうまくいくかどうかもご注目ください。

↑ のメリーさんの♂が羽化してきました〜。

ボトルから、繭玉の破片ごと移動させて管理していました。

フタを開けると潜っていこうとします。かわいい。メリーメンガタなんてなんぼいてもいいですからね。このあとまたティッシュをかぶせて半年間待ちましょうか。

この子だけ極端に早い感じもしますが、ほか20頭程度は来年のお正月のイベントにでも出しましょうかね〜。

WDが続いていくのも嬉しいですね。

では、続報をお楽しみにどうぞ!!

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

WILLPLANTのWEBはこちら コンテンツ制作:カブトコロシアム

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