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クワガタ

ラコダールツヤクワガタの飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで

KAZ.YOSHII

『ラコダールツヤクワガタとは』

スマトラ島に生息するツヤクワガタの一種。上翅の模様がとてもきれいな種です。

スペクタビリスノコギリクワガタと同様な、幾何学模様がアクリルの中に埋め込まれている?

と思わせるような、そんな模様がとても美しいので是非生で見てもらいたい種の一つです。

また、スペクタビリスツヤクワガタ、ヤスオカツヤクワガタとよく似ています。というかほぼ同じです。(六脚堂 当社比)

見分け方としては、ひっくり返してみると後肢の腿節と後胸腹板が本種は黒っぽい赤褐色、ラコダールはオレンジ色をしているところで見分けます。

なお、日本が誇る昆虫会社。むし社さんの「ビークワ90号 世界のツヤクワガタ大特集」では、

以下のように紹介しております。ご参考にどうぞ。

ラコダールツヤクワガタ

オスの大アゴの内歯の先端は斜めの裁断状、頭部の紋は逆二等辺三角形の形をしている、頭部と前胸背板はやや光沢がある、メスの個体は前胸背板の前角付近に楕円形の紋があり、上翅会合部の黒色帯は細いV字状。

スペクタビリスツヤクワガタ

大アゴはラコダールツヤクワガタより細い、オスの大アゴの内歯の先端はより尖る、頭部の紋は三日月状で後方でややぼやける、上翅の会合部の黒色帯はラコダールツヤクワガタより細い、スペクタビリスツヤクワガタには上翅の色によって黄色型と褐色型の2つのタイプがある。

※短歯だと細い大顎という部分は見られないですね。頭部の紋は違いが出ています。

ヤスオカツヤクワガタ

オスの大アゴの内歯の先端は幅広いへら状に角ばる、頭部の紋は逆正三角形状、複眼後方側縁の突起は丸味をおびる、大アゴ、頭部、前胸背板はややツヤ消し状、上翅会合部の黒色帯はラコダールツヤクワガタとスペクタビリスツヤクワガタの中間の太さ。

※個体が六脚堂にはいないため参考写真が貼れませんのでこちらのリンクを参考にしてください。    昆虫販売 アリスト様 https://00m.in/HzaIX

これらの3種ともスマトラ島が産地なのですが、同種にならないんでしょうかね。交雑もしてそうな気もしますがどうなんでしょうか。

寿命はおよそ6〜8ヶ月程度です。

サイズは♂:43~85mm  ♀30~45mm 

2024年のBE-KUWA飼育レコードは、88.5mm。野外では90mm。

和名:ラコダールツヤタクワガタ

学名:Odontolabis lacordairei.

この子はスマトラ島 アチェ ラウセル産。♂ 84mm (短歯)

個体提供:レスポール・カスタム様

 84mmとレコード寸前サイズのWDです。

同じオドントラビス属(ツヤクワガタ)のスチーブンス同様、目の上にシワシワが入って、イカツさが出ています。

スチーブンスツヤクワガタ(短歯)

メリーメンガタクワガタのように、頭楯(とうじゅん)があります。そこが表も裏もオレンジになっているところも見ていて美しいと感じるポイントの一つ。

サイズが大きいと、より頭楯(とうじゅん)が立派に発達します。

♀の頬の部分が赤くてとてもかわいらしいいです。これだけで欲しくなってしまいました。

♂と同様に上翅の模様が♀にもあり、腹部もオレンジが出ています。

このページではラコダールツヤクワガタの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。

飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。

□□□ 成虫の飼育方法 □□□

寿命: 

成虫の平均寿命は半年から8ヶ月です。

飼育温度:

20〜25℃前後。

成虫育成メモ:

小さくても、♂同士、♂♀ともに一緒のケースにいれるのは避けましょう。

高温多湿に弱い種なので、成虫、幼虫ともに低温が望ましいです。

羽化後1〜2ヶ月で後食を開始します。(大きさによりばらつきがありますが)

成熟はその後1ヶ月程度でしょう。

卵を生むときは、ツチダマを作り底にまとめて産む特徴があります。

□□□ 卵の産ませ方 □□□

卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが鍵になります。

【産卵セット】

カブト系完熟マットや、微粒子マットを使います。

熟度の深いマットを好みます。(茶色よりも黒に近いマット)

※月夜野きのこ園さんの黒土マットで良い結果が出ているのをよく見ます。

加水:

ちょっと多いかな?というくらい。握って滲み出てくるのは多すぎですので注意!

材の加水も多めが良い結果が出ています。

なお、マットは固めずにケースをトントンと地面に叩いて詰めるくらいで良い結果が出ているようです。

産卵セットの作り方 

《産卵温度》

23〜24℃程度。

【使用するケース】

コバエシャッター(中)やクリアスライダー(ラージ)など、材の大きさに合わせてケースを選択します。

レコード個体を出した記事を確認すると、発酵マットで管理し最終的に中ケースにいれ48.7gまで体重が乗っていたようです。

《ケースサイズ表》

《ペアリング方法》

クワガタ系は、人がいると警戒心が強い子が多いので、同居ペアリングがおすすめです!

1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。

    (隠れ場所として樹皮や専用餌皿があると良いです)

2)大きすぎないケースにゼリーを一つ置きます。

  (ゼリーが♂♀の出会いの場とするためです)

3)攻撃力の高いヒラタ系などは顎縛りしましょう

4)3〜7日同居させ、「メイトガード」していたらほぼペアリングが完了しています。

詳細はこちらから!

《カブトムシ・クワガタのペアリング方法》

ツヤクワガタは、♀のポテンシャルに依存するケースが大きいです。産む子は5〜80個の卵を産みますが、産まない子は全く産まない。という落差があります。

さらに、孵化率が高いので採卵したらその分だけ孵化してきますので、飼育できる分だけ取るようにしましょう!

□□□ 幼虫の飼育方法 □□□

【お勧めのエサ】

マットのみです。菌糸ビンでは育ちませんので注意。

そしてツヤクワガタはクセがあるので注意が必要です。

1)初令時は、産卵セットのマットを移行した方が良い

2)コバエなどが発生して産卵セットのマットをつ変えない場合は、カブト用の完熟マットや黒土など完全発酵がおすすめです。

3)大型や大歯を狙う場合は、2〜3令時にカブト用完熟マットをベースに、廃菌床ベースのマットや添加マットを少しづつ増やしていく。

4)マットの全交換は避けたほうが無難です。

ツヤクワガタ種はよく熟したマットを好む傾向があります。初令時は添加に弱いので、無添加の完熟マットを与えます。

2~3令になってから添加されたマットを少しずつ混ぜて行きます。できるだけ大歯を狙うにはこの方法がベストです。

サイズを気にしない場合、初めてで自身の無い場合は食性が合わずに☆になることもありますので、その場合はブレンドせずに無添加完熟マットで通しましょう。

そしてツヤクワガタ種は容器の中間付近に空洞を作って居食いします。交換タイミングを逃すとマットが容器の中で上下に分かれるような状態になり、そのまま☆になることも多いようです。

なので、六脚堂の場合は、ケースの半分古いマットを削ってマットを継ぎ足すイメージで行なっております。

【容器】

500CCから800ccへ移行。

♂はそこそこサイズが出ますので3令になったら1400以上のボトルを使用すると良いでしょう。

【えさ交換数】

交換は途中4〜6回程度。

上記にあるように、マット交換を失敗すると幼虫が全滅した。。というブログも有りました。

爆産もしますが、丁寧な交換が必要なのは間違いないです。

【設定温度】

20〜23℃程度。低温で引っ張る場合は羽化タイミングが遅くなります。

【孵化から羽化までにかかる時間】

♂、♀ともに12〜16ヶ月程度。低温で引っ張ると♂は2年近くかかります。

【注意】

幼虫は土繭を作ります。3〜4ヶ月で3令になり、そこから4〜5 ヶ月後に繭入りします。

繭入後2ヶ月位でサナギに。羽化まで2ヶ月。

※個体により時期のズレがかなりあります。あくまでイメージです。

繭入りすると餌を追加できませんのでその前の交換が大きくするための肝になります!

また、繭を壊すと蛹化時、羽化時に☆になりやすくなるのでご注意を!!

※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!

この記事は2024年4月の記事です。

トレンドが変わったらまた追記していく予定です。

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KAZ.YOSHII

映像・WEB・システム開発の会社「WILLPLANT」の代表取締役。

会社内で、幼虫飼育1000頭を行なっているカブクワおじさんでありつつ、ラジコンバギー(ストック)で2022年、全日本16位(JMRCA)。

カブクワバトル動画、カブトコロシアムの主宰でもある。

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