ゴホンヅノカブト(グラキリコルニス)の飼育方法|ペアリングから幼虫管理まで
『ゴホンヅノカブトとは』
頭角が1本、胸角が4本の計5本になる角が特徴の中型のカブトムシで、以前はタイゴホンヅノカブトとも呼ばれておりました。
東は中国、西はミャンマー、タイに分布し、タイ北部では幼虫、成虫ともに食用にされている地域も存在しています。
生息域では竹林(日本でいうと、竹に近い植物)を住処とし、竹の新芽の汁を吸っているようです。そのために発生時期は秋口となっています。
また♂♀ともに上翅全体がクリーム色をしていますが、死んでしまうとクリーム色から褐色に変わっていくので、このまま標本にしたいとマニアの間ではよく言われています。
ゴホンヅノカブトは本種の他、
・ビルマニクスゴホンヅノカブト(ビルマゴホンヅノカブト)
・シャムゴホンヅノカブト(今はシャムがタイゴホンヅノト呼ばれることも有ります)
・ハードウィッケイゴホンヅノカブト(ヒメゴホンヅノ)
が日本に流通しているので、学名から「グラキリコルニス」とも呼ばれます。
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※パプアニューギニアに生息するサンボンヅノカブトは近似種です。
また、羽化後、約1年休眠する特徴があり、活動してからの寿命が3ヶ月未満〜6ヶ月とやや短命でも有ります。
コロナの影響で、輸入されなかった期間は3〜5万円と生体が高騰ししましたが、2023年秋にはペアで8,000〜15000円と落ち着いたものになりました。
サイズは♂で48〜93.4mm ♀で40〜60mm程度。
和名:ゴホンヅノカブト
学名:Eupatorus gracilicornis
体のバランスは国産カブトムシに似ていますが胸角の発達がとても大きく迫力が有ります。
上翅はまるで高級家具の木目のよう。外的から見を守るために黒い保護色のものが多い中、こんなに目立つボディで自然界は許してくれるのでしょうか。
ヘラクレスのような迫力はありませんが、本物を見たときの感動はそれを超えていました。思わず声が出たくらいです。
掴む爪の強さはヘラクレスの♀と同じレベル。
♂同樣のツートーンカラーが所有感をくすぐりますね。
高級家具の色合い。
ここからは、ここからはゴホンヅノカブトの飼育方法を六脚堂の飼育方法や定説として言われている方法を掲載しています。
飼育する環境、地域、生体そのもののポテンシャルも大きな要素となりますので、あくまで参考としていただければ幸いです。
□□□ 成虫の飼育方法 □□□
寿命:
成虫の平均寿命は 3〜6ヶ月
飼育温度:
24℃前後(越冬はしませんので温度管理をしっかりしましょう)
成虫育成メモ:
後食まで約1年を要します。いわゆる休眠の長い種の代表ですね。
羽化後の管理では、飼育していることを忘れないよう湿度の管理はしっかりと、そしてできるだけ静かなところでに管理してください。光や振動のストレスが多いと、休眠が開ける前に☆になることも有りますので注意です。
成熟の目安は後食から2〜4週間後。
後食のスイッチはわかりやすく、食べ始めると一気に食欲が爆発するイメージです。
休眠が長い分、成熟も早そうですね。
□□□ 卵の産ませ方 □□□
卵を産ませるにあたっては♂♀それぞれが成熟していて、交尾・産卵可能な状態であることが必要になります。
羽化日、後食開始日、後食開始から成熟までの個体差もありますのでこの情報を鵜呑みにしないようご注意ください!
《産卵セット》
産卵方法はマット産みです。
完熟系のマットを使用します。
水分量は多くもなく少なくもなく。ギュッと握って固まりが出来る程度。
(水が染み出るようでは多すぎです!)
竹林に生息していることから、「バンブーマット」を使用しないと産まない、と言われている種ですが、必ずしもそうではありません。
♀のポテンシャルがとても大事で、多産種ではありませんが、一度に20卵などたくさん産んでいる報告もあれば、全然産まないというブログもありますね。
産卵管理適温:
25〜27℃
【使用ケース】
ケースは中〜大ケースが良いでしょう。
《ペアリング方法》
カブト系は、ハンドペアリングがおすすめです。
1)飼育ケースなどに♀が潜れない程度のマットを敷きます。
発泡スチロールの上や、鉢底ネットを引いて行う方法もあります。
2)♀を先にケースに入れ、その上にそっと♂を乗せます。
3)♂、♀ともに成熟している場合は、そのままペアリングを開始してくれます。
とはいえ、生き物です。お互いに無反応ということや、♀が逃げ惑うこともあります。それが30分も続くようであれば日を改めることをおすすめします。
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□□□ 幼虫の育て方 □□□
【お勧めのエサ】
通常のカブトマットで問題ありません。完熟系のマットを使用しましょう。
添加の強いマットは苦手の様で、幼虫時期によく☆になることが有ります。
♂♀ともに1,500CC程度のボトルで、交換は途中3〜4回でOK。
【設定温度】
20〜26℃と守備範囲は広い方ですので、それほどシビアではありません。
【孵化から羽化までにかかる時間】 25℃で通年管理の場合は12~18ヶ月程度でしょうか。
♀のほうが1~2ヶ月ほど早く羽化します。
ですが、休眠期間に温度調整などで合わせることが出来ますので累代はし易いと思います。
※管理環境(管理温度、飼育するエサ等)の違いによって個体差があります!
この記事は2023年4月の記事です。
トレンドが変わったらまた追記していく予定です。
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